ブランコとは。ここに話の展開が示唆されることは想像がつく。けれどそれが起きると同時に露呈するのは現実的な胸糞悪さだった。
エリート路線を行く若者グループは青春の謳歌にと心霊スポットを訪れる。そこで奇妙な噂と現地の有様を照らし合わせながら、さも冒険であるかのように楽しんでいる。こういった軽々しさは若気の至りとよく聞くものだが、ロマンチストのAがブランコになる(ブランコになる!)と共に、彼らに現れる態度がこの話の持ち得る呪いだろうと思う。
展開は作者のものであるから、あまり口出しするのはよくないと思いつつ、事件の後も残った者達が何事もなかったかのように、エリートという設定を活かして大成するくらいの流れだったなら悍ましさは増したやもしれんと感じた。