概要
瞼の裏に浮かんでいる 十八歳のわたくしの水死体
第二回偽物川小説大賞参加作品です
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!一度きりの生涯の中のひとつの答え
「死」がテーマの作品に「生」を見るといったことは稀ではない。これらは隣り合った観念であると教えられてきたものならごく自然にふたつを同時で認識出来る。だから僕はこの作品を観る(敢えて観ると表現しますけれど)時、死或いは生そのものを一度取っ払って見つめてみようと思った。死をテーマとする企画に対してのこの姿勢を恥知らずと笑ってもらってもいい。しかしながらそうすると浮き彫りになるのは「優しさ」だ。思い遣りとも言える。兎角「死」と掲げながら痛みを一つとして感じない。その是非を議論することはしない。必要ないから。
語り手は若き死に敬意を払う。そうはなれなかった自分は「死ぬには歳を取りすぎた」とする。歳を…続きを読む