蜘蛛の巣と蝶のような関係性

にいにが普通でないことに気づいているのが少女だけなわけですが、皮肉なことにそういった常識的な感覚によって異質さにのめり込んでしまうという。世の中には説明のつかないことなんてものが話題に上がったりもしますけれど、多くの人はそんなことを普段から気にせず過ごしている。例えば研究に没頭し生涯をそのことに捧ぐような人と少女の心情は近しいものがあり、周囲とは生き方も異なる。そのような少女もにいにに異質さを見出しながら最後にはそれが「人」であり淡い感情をどこかに期待する。にいにもまた少女の好意に気付きながら思惑はどこか不穏でもあります。その先が描かれてはおらず何やら意味深な存在が登場して終わる。ここで描きたかったのはにいにと少女の関係性が主だと思いますが、にいにの正体や少女のこの先も気になるところ。