素敵な男性のお話です。読み終わってから、男性の友人の多いキャラクターなんだろうと、納得するように思いました。ラストの一文で、バチッと締められているのが好きです。
唯一の欠点がマイナスに振り切れて、他のプラスが霞むどころか帳消しである。欠点と呼ぶのも疑問なほどに悪魔的。暖簾に腕押し、だとか豆腐に鎹ではないがある種の無敵に見初められたことが悲劇で、そこに一度は夢見た語り手の心境を思うと鳥肌が立つ。"さうだ。この中を見れば間違ひない。百年の恋も一瞬の間に、煙よりもはかなく消えてしまふ。(芥川龍之介「好色」)"
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