肘掛けの回収が絶妙

場面設定がクールですね。ただガートルードという常人ならざる存在を描くにはやや駆け足で説明に終始してしまったかなという印象があります。なんとなくこの人物のことを知った感じになってしまうのだけれど異質さは徐々にベールを剥ぐことでその凄みが増すと私は考えます。また語り手は賢者が如くその畏怖をほぼダイレクトに理解し享受してしまっている。組織から事前情報を得ているというのがあるのかもしれませんが、そこにガートルードの性格を答え合わせさせるのではなく、そういった仮定、語り手の想像力を越えて侵入者を圧倒していくガートルードの姿をもっと見てみたいと思いました。