とある吸血鬼とヴァンパイアハンターの、ずっと続く因縁のお話。 短くシンプルな中に、ダークさとバイオレンスと性描写をギュッと詰め込んだ、まさに「ヘキ!」って感じの物語です。 サクッと読めちゃうのに濃厚なところが嬉しい作品でした。
憎しみ合う中で芽生える真逆の感情に対して男は区切りをつけようとし、女はただ受け入れようとした。願いは他愛ないものでありながら想いは摩擦する。ただ四〇〇年だった。冒頭に掲げた時間が語り終えている。悠久とも思える中で二人は常に傍にあったわけだ。互いに人間の時間感覚であったならもう成就されていると言ってもいい。だから二人は鬼である意味がある。意味深な語りがややくどくも感じるが短文の中で設定がしっかり生きている。
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