概要
巨像は応えない。
草食信仰森小説賞参加作です。テーマは「信仰」です。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!私は消えてゆく、世界は続いてゆく
作風がとても私の好みです。淡々と進む物語は読み手の介在を許さない雰囲気すらあるのですが、主人公である女性はずっと喋り続けます。この語りかける相手が集落の信仰対象である巨像で、賛否ありそうというか、たとえばエンタメ小説方向に振るのであれば違う方向性にすべきだったとは思うのですが、この話の私が一番高評価したい部分は「巨像だけは最初から最後まで不変である」という部分です。
女性は巨像とコミュニケーションをとっている、一方的に話し掛けるという行為を常日頃行っており、幕切れでも巨像とともにいます。逃げも隠れもせずに信仰対象である巨像の前に居続ける、殉教のひとつととりました。しかしこの従順な態度は一…続きを読む - ★ Good!応援したくなる作品
すみません。いきなり厳しい言い方になりますが先ず世界観の設定がとにかく甘い。巨象や神官、または魔法といったワードに対する説明がボヤッとしていて、逆に暈すにしては元々これらの言葉が独自に持っている意味が効き過ぎる。巨象は登場時「神にも似た」と形容されながら、(これは後々の流れから読めますが)その間に何も説明ないまま次の場面で「友人」と表現されている。かと思えば「大地の神」と明確に神そのものとして断言される。呼び方自体が変化することは悪いことではないです。読んでいけばそう呼ばれるための理由もある程度書かれています。しかしここは雑にならず理由を先に置いた方がよかったと思います。でないと作者は全体…続きを読む