魔法使いのいる世界。
その世界で世界一有名な悪女と奇跡をおこした英雄の物語。
設定や魔法を使った戦いもさることながら、地の文の描写がとにかく読みやすくて雰囲気が出ている。
魔法のある世界が頭の中に浮かんでくるかのようで。
時折回想される学生時代のやり取りで悪女と英雄の関係性が少しずつ理解していくように仕向けられ、そして最後は互いの想いが語られないままに引き裂かれてしまう悲哀の恋の行方が、邂逅したときにどうなっていくのかがまた楽しみ。
話の途中で悪女っぷりを発揮するヒロイン。
ほんの少しすれ違った二人の恋を応援したくなること間違いなし。
英雄の起こした奇跡とは。
なぜ彼女は世界一の悪女となってしまったのか。
そんな話と並行して進む現在の魔法世界のお話。
ほんわかと脳裏に浮かんでくる臨場と共に。恋愛と魔法好きには是非読んでみてほしい一作。
地の文の描写が雰囲気いいとか、主人公がこっそり強くて痛快だとか
細かい良い点はたくさんあります。
が、なんといっても引き込まれるのが
主人公のルシルとヒーローのレナードの関係ですね!
かつて仲良し、のちに敵同士。
すれ違って死に別れたはずの二人が、今は同じ職場で顔を合わせる間柄。
ただし、ルシルの方は今は別人になっているので、彼はすぐそばにルシルが居ることを知りません。
そんなニアミス状態が続きながらお話が進むので、それはもういろいろと面白いことになります。
そして今後クライマックスでは、ルシルの正体やらレナードの感情やらが大変なことになるのも間違いありません(笑)
早くその場面が見たくてしょうがない!
学生時代、仲の良かったルシルとレナード。
この二人のすれ違いがなんとも切ないのです!!
ルシルはなぜか魔王の側近をし、レナードはその魔王を討ち取った英雄。
けれどそこには何か深い事情があるようです。
学生時代の回想が入るたびに、二人の仲の良さに驚かされます。
だって、現在のレナードは冷たい男なのですから。
ルシルの不在がレナードに大きな影響を与えた模様。
でもね、実はルシルはレナードのすぐそばにいるのです!
ルシルの魂はアンジェリカという女性の中に。
アンジェリカとなったルシルは、みんなにバレないようにチートな能力を使っているようです。
でも読者としては、レナード、絶対に怪しんでいる。ルシルだとバレるのは時間の問題なのでは? とワクワクしてしまいます。
ルシルだとバレたら、どうなっちゃうんだろ? とドキドキ!!
引き裂かれてしまった恋の行方が気になるところですが、その他にも、魔法を使うシーンも楽しいです。
ルシルも好感度の高い、かっこいい女性です。
見どころいっぱいの本作。
溺愛やすれ違い、魔法世界の好きな人におすすめです!