兄さん、背中が背中だぜ

冒頭のアパートにある熱気が、後半につれて雀荘の一卓に集約されリンクしていく。熱気は薄暗さの中で陽を纏い熱狂と化す。狂って咲いたが勝ちの濃い面子(どこかで聞き齧った名前だな)。ひりつく勝負の中で語り手は見出す。主役とは誰か、いや何かを。
汗と煙と埃にまみれた、野暮ったいけれど懐かしい、地方の片隅から香る大人の匂いが臭くてだのにスマートな、そんな矛盾の妙が漂う向こう側に見た陽炎。不味い煙草はechoかな(わかばよりはコッチという感じがした)。いい匂いの作品でした。

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