概要
精神性への転落から新たなる共同性の構築に向けて
破壊すべき知的世界すら喪失した現代のlemonismは、伝統的なlemonismとは既に別物である。それはより繊細で洗練された体系をなし、それゆえに最も根源的な意味において人間を疎外する。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『痛くて苦しくてつらいから普段目を背けていたもの』全部のせ
とある教育実習生のお話。
面白かったです。ただひたすら圧倒されました。とても何か言わずにはおれないのですけれど、でも何を言っていいやらわからない。というかもう、何も言えることがない。凄かったです。あまりにも凶悪な作品でした。一文一文が抜き身の刃物のようで、読み終える頃にはもう全身傷だらけというか、たぶん三話目くらいでもう死体になってたような気がします。ああダメだ、本当に好きすぎて言葉が出てこない……。
ジャンルは現代ドラマとなっており、確かに他の単語が浮かばない程度には現代ドラマです。自分はいつもエンタメ作品ばかり摂取しているため自信がないのですけれど、こういうのを文学と呼ぶのでしょう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!連環する救済
孤独な精神から脱出し、人間的成長を獲得する。言うのは容易いがとどのつまりどういったふうに作用していくのかが分かりやすく描かれていた。
語り手は他人を冷笑的に分析する。しかしそれは内心の声であって表向きは社会性に則り衝突を避ける二面性を強調される。
冒頭での元生徒に宛てた手紙には文字というよりは言葉に近い生々しさがあり、もっと言えば語らなくていいようなことまで書かれている。
語り手の彼女は社会を上手く迎合できず、それを蔑むことで自己肯定する弱さがある。この物語はそんな彼女が元恩師から意味を与えられ、元生徒から信念を学び、それによって他人でしかなかった元同級生を仲間と認め過去と向き合いな…続きを読む