タスク③ 脅迫状の犯人を突き止めよ
最大の敵は、S組に!?
容疑者、太陽!?
「なに言っているの、太陽? おりるって……?」
私の質問に、太陽は鼻を鳴らす。
「言葉どおりの意味だ。脅迫状の犯人探しなんて、付きあいきれるか」
「勝手なこと、言わないでよ!」
私は太陽にずいっとつめよった。
同い年の太陽は、私にとってはS組の中でもなんでも言いあえる存在。口ゲンカをした回数なんて、100や200じゃきかない。
それだけぶつかって、同じだけ仲直りをしてきたのが、私と太陽。いつもの調子でぎろりとにらんでも、太陽はすまし顔のまま。
そんな態度にカッとなって、私が言いすぎしまう。わかっているのに、止められない……。
「太陽は、S組がなくなってもいいの? はなればなれになっても、いいって言うのっ?」
勢いまかせの言葉に、太陽はうつむきながら……コクリと小さくうなずいた。
「あぁ。S組なんて、なくなればいい」
息を吸うことを忘れるほどの、衝撃。私はその場に固まってしまった。
「…………」
ぷいっと顔をそむけて、太陽は足早に生徒会室から出ていった。
「つくね。大丈夫?」
背中に温かい手がそえられる。恵くんが、となりに来てくれていた。
「なんだよ、太陽兄ちゃん!」
樹ちゃんは、顔をぷっくりふくらませている。
「ちょっと、連れもどしてくる! つく姉ちゃんにあんなひどいこと……!」
「いいえ。いけませんわ」
樹ちゃんを止めたのは、七星さん。
「連れもどしちゃダメって、どうして?」
「ここから先の話を、容疑者に聞かれるわけにはいかないから、ですわ」
いま、なんて? 太陽が、容疑者……?
「七星さんは、脅迫状の犯人が太陽だって思っているの?」
「決めつけたわけではありません。ですが……疑いがあることは、事実です」
「そんな……!」
「だからこそ、竹鳥さんは穂村くんの監視をしてください。あやしい行動がないか、張りこみ調査をお願いしますわ」
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