学園投票 中間発表!
S組の"S"って……
「つくね。まだ痛い?」
植木鉢が当たってアザになったところを、ミハル姉は優しくなでる。
「大丈夫、大丈夫! ほら、こうやっても……」
答えて、私は腕をぐるぐる回す。……ぴりっ! と、電気のような痛みが走る!
「いっ! ……たく、ない、よ。へへ……」
ばればれの強がりに、ミハル姉は怒りと悲しみを混ぜた顔をする。
「ごめんね。私が付いていなかったばかりに……」
「ミハル姉のせいじゃないってば。心配してくれて、ありがとう」
安心させたくて、私は口を横いっぱいに広げて笑ってみせた。
「はい。これで、おしまい」
救急箱を片づけるミハルお姉ちゃんに、私はたずねる。
「ねぇ。教えてほしいことがあるの」
「恵士郎のことかしら」
こちらに背中を向けているのに、ミハル姉は私の心を言い当てた。
「学年を問わず才能ある生徒が集まった、
「う、うん」
「でも、それだけじゃない。S組の生徒は地球上の常識で説明がつかない、超人的な力を持っているのよ」
そんなのありえない! ……と、ちょっと前までの私なら言っていただろう。
私は、恵くんが天気を操った場面をこの目で見ている。
「……だったら、力があるのは恵くんだけじゃない?」
私が言うと、ミハルお姉ちゃんは意味ありげにほほ笑んだ。
「そうよ。太陽や樹にも、特別な力はあるわ。……つくねにも」
「ほんとっ?」
「あるといいわね」
「……ミハル姉のいじわる」
肩をゆらすミハル姉は、図書室のドアを開けた。
「さぁ、朝食に行きましょう。そのあとは生徒会室で、次のタスクの説明。でしょ?」
「……だね。まずは、ご飯!」
腹が減っては
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