希望が見えた、中間結果!

 生徒会室のとびらを開けると、七星さんとりこさんが私たちを待っていた。


「まずは、こちらをご覧ください」


 七星さんが指すモニターには【S組投票アプリ】の投票結果が映っている。


 前まで【解体】ばかりだったけれど……どうだっ?


 【存続】511名、【解体】1,489名。


「【存続】が増えている?」


「はい。花壇を作ったボランティアや、ともにコマコを探した生物委員会の方々、配信を見ていた生徒たちの中でも、意見が変わってきているようです……」


 りこさんの言葉を聞いて、私はガッツポーズ!


「やったぁ! この調子でいけば、みんなといっしょにいられるようになるんだよね!」


 私の言葉に、恵くんと樹ちゃんは大きくうなずいてくれる。


 ただ、ミハルお姉ちゃんは冷静だ。


「とはいえ、まだまだ差は大きいわ。最終投票まで一週間を切っていて、タスクは残りひとつ」


 七星さんが静かにうなずく。


「では、最後の課題を言いわたしますわ」


 七星さんは私たち全員の顔を見わたしてから、大きく息を吸う。


「3つ目は……『学園を乱す、脅迫状の犯人を突き止めよ』!」


脅迫状って、S組を解体しろ! っていうやつだよね? 今回のS組存続をかけたミッションの発端となった、心無い言葉の数々だ。


 七星さんは机の引き出しから、大量の紙を取りだした。


「このところ毎日、学園中に脅迫状がはられています。犯人は相当、執念深いのですね……」


『S組反対』『学園を乱す存在』『S組は即刻解体すべき』……まだまだあって、正直見るだけでイヤな気分になる。


「これは明らかに度が過ぎていますわ。このような悪行に手を染める生徒を正すためにも、S組のみなさんの手で直接、犯人を特定していただきたいのです!」


 これが私たちS組存続をかけた、最後のタスク! ぜったいに、成功させないと!


 生徒会室にいる全員が、目標をひとつにしていた……はずなのに。


「オレは、おりる。犯人探しなんて、どうでもいい」


 たったひとり、そう言ったのは……太陽だった。

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