用意されたアドバンテージ
と、そこでわたしは振り返って、
「で、話は変わるけど今回の制限時間は今日中。
「それより先に標的が追い詰められて、仕留められたら……」
「その場合は仕方ない、けれどあなたは今回トップクラスの
「アドバンテージ……他の参加者がハンデを受けているということですか」
「そう。このゲームには下のランク連中に可哀想な思いをさせないためや、
「なるほど、長い目で見るギャンブルであり、血の色をした
「ランキングによる差別化をしなければ上位は下位を食い物にするだけのクソゲーになる。そんなもの視聴者連中は上位に賭けるのが当たり前になるし、観る価値も緊張感もなくなる」
と理解してくれるブレインに、仕事熱心な美人上司のわたしは長ったらしい説明をしてあげた――いいや、現在進行形で説明をするのだ。
「シュメルツ部隊はわたしとドクが
そんなわけで、みんな教育係をやりたがらないのだ。上位や中位のランカーがハンデを背負っているとしても、出番が回って来れば嫌でも見せ所を用意しなくてはならない。注目を集めるのも観客から信頼を獲得するのも、まずは舞台に立つこと。
「どんな事にでもビギナーズラックはあるとしても、ブラッド・スポーツにおいては約束された幸運があるんですね」
「そう、初戦は完全勝利するテンプレートなのよ――あなたの意識次第だけどね」
と説明を終えたわたしは公園のベンチに腰掛けて、
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