日常の一幕
昨日の会議は頭の痛くなる話だった。それはいいのだが、寝て起きて準備をして、会社へ向かい席に着くと、本物の頭痛はわたしを殺す勢いで襲ってきたのはよくない。
頭痛が現在――正午――まで続いたうえに、乙女のカラダがガリガリになりそうなほど可視化を使わされた。わたしの専門は殺しだけど、その他に裏企業との取引や人的Dリストの情報収集、さらには匿名やら表舞台の人間からの依頼――<殺しの前にはまず情報>ということで、カラダが壊れそうなほど駆り出されていたのだ。
「はあ、頭が痛い」
「昨日の会議のせいですか? それとも珍しく風邪ですか?」
とわたしに食料を買ってくるはずのマスコットが何食わぬ顔で質問してくる。
「風邪かしら――って、精神的病なら分かるけど特異人が病原体に負けるなんて研究結果ないでしょ。そんなことよりも食い物は……」
「ちょうどそこでブレインに会ったのでパシリました。『買ってこなかったらイェーガーに、いろんな意味で食べられちゃうぞ』って」
「あらそう、
頭痛と空腹のせいでわたしは意識のない様な返事をする。本当ならマスコットの可愛らしいおっぱいを揉みしだいてやりたいところだ。
「イェーガーは忙しいんだから帰れると思わないでね」
と会話に参加するクイーンはわたしの口へサンドウィッチを突っ込んできた。
パサパサとした物がわたしの唾液を吸いこむ。その感覚が嫌いなわたしだけど、サンドウィッチは嫌いではないし空きっ腹は大嫌いなので美味しくいただくことにした。
「いつも忙しいけど、昨日の話を聞けば休んでいる暇はないでしょうね」
わたしは昨日の会議の事を思いだす。
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