第6話 引くぜ!10連ガチャ!

翌日、テントから出てビックリ!

寝る必要の無いリズが、狼を倒してた。

しかも、9匹も!

俺は、思わずリズを抱き締めた。

堅かったけど。

その後、アプルルを二つ程腹に入れ、狼から魔石を取り出しスマホで換金する。

残金1030G!


「よっしゃ!とりあえずガチャ引くぞ!」


俺は換金アプリを閉じ、ガチャアプリを開く。

案の定、10連が引ける様だ。

俺は意を決し、10連ガチャのボタンを押す!

ガチャマシーンが踊り出し、中のカプセルが飛び跳ね、排出口からカプセルが10個飛び出しメッセージが出る。


「N薬草をゲット!(画面をタッチして次へ)」


次だ!後9回残ってる!


「NH鉄の短剣をゲット!(画面をタッチして次へ)」


まだまだ!


「N薬草をゲット!(画面をタッチして次へ)」


チッ。


「Rマジックコンロをゲット!(画面をタッチして次へ)」


ん?


「R鉄の槍をゲット!(画面をタッチして次へ)」


ムムム・・・。


「SRコルト・パイソン357マグナム6インチをゲット!(画面をタッチして次へ)」


おぉっ!?


「Nパン10個をゲット!(画面をタッチして次へ)」


よっしゃ、来たぁぁぁぁ!


「SSRスケープマントをゲット!(画面をタッチして次へ)」


スケープマント?


「R鉄の槍をゲット!(画面をタッチして次へ)」


クソッ!


「Nパン10個をゲット!(画面をタッチして次へ)」


うぉぉぉぉ!また来たぁぁぁ!


Nランクのパンが出て喜ぶガチャと言うのもどうかとは思うが、それだけ穀物に俺は飢えていた。そして、パン20個に歓喜の雄叫びを上げる。


「ありがとう!リズのお陰で、またパンが食べられる。本当にありがとう。」


俺はリズの手を取り、涙ながらにお礼を言う。

最初、ケモ耳じゃなくガッカリしてゴメン!生肌じゃなくメタルだったからガッカリしてゴメン!今は、リズで本当に良かったと心からそう思える。

神様、仏様、リズ様様だ。


「このパンは大事に食べなければ。そうだ!朝は大量に収穫したアプルルを食べ、昼にパンを半分。そして夜は肉を喰おう!そしたら、もう少しパンを長く食べれる!」


俺は既にパンを如何にして食べるかで頭がいっぱいだった。



その後少し落ち着いた俺は、ガチャで出た物を確認する。


「まあ、短剣や槍は別にいいな。マジックコンロも多分、問題は無さそうだ。問題はSRコルト・パイソンとSSRスケープマントだ。」


・SRコルト・パイソン357マグナム6インチ

357マグナム弾を6発射出可能。

弾が無くなった場合、シリンダーから空薬莢を排出し「リロード」と言えば新たな薬莢が自動で装填される。シリンダーの開け閉めの際は、ラッチを必ず引く事。

打ち方はハンマーを起こしてトリガーを引くシングルアクションと、トリガーを引く事でハンマーが起きるダブルアクションがある。


「リズの時にも思ったが・・・異世界で銃ってありなのか?ま、俺としたら助かるけど・・・。」


・SSRスケープマント

身に着ける(マント付随のフードを被る事で姿が消え、フードを外すと姿が現れる)と姿が見えなくなるマント。

マントを着用したままで移動をする事は出来るが、その他のアクションを行った場合は即姿を現す(例えば、剣で人を刺す。魔法を使う。物を盗む。犯罪防止用)。


「ま、犯罪に使うつもりは無いが、用心深いマントなんだな。これ、魔物の場合はどうなんだろうか?一回試してみるしかないか。」


俺はマントを羽織り、銃を腰に差すとテントを仕舞い森の奥へと歩き始める。


森を歩き、昼食のパンを齧り、俺の時計で14時頃、少しよさげな場所に出る。

そこは、目の前が川で見通しも良く、木も無い場所だった。

俺は当分ここを拠点にすることにした。

川の横にテントを出すと、川を調査してみる。


「深さ的には膝くらいか。魚も泳いでるから獲れば食糧になるな。」


こう言った時の漁って、石を投げ入れるんだっけ?

俺はうろ覚えの知識を元に、適当な大きさの石を持ち上げると思いっきり川へと叩き付ける。


バッシャーン!


と水飛沫を上げる。

そして、プカーっと魚が浮かんで来る。


「よっしゃー!魚ゲットだぜ!」


俺はどこぞのサ〇シか!


浮かんだ魚を手で掴み、首を折ってはストレージへと入れて行く。

今日の漁獲高は10匹でした!

大漁、大漁!


その後、魚を焼こうとテントの側にマジックコンロを出して気付く。


「鍋もフライパンもねぇじゃねえか!」


そう、マジックコンロはいいのだが、調理器具が一切付いていなかったのだ。


「これは、串焼きしかないか。」


ガッカリした俺は、その辺に落ちている枯れ木や枯れ枝を集め、焚火を作ると手頃な枝を銅の短剣で削り串を作る。

しかし、ナイフではないので削り辛い事この上ない。

何とか明るい内に串を作えいあげると、魚に突き刺し焚火で焼く。

香ばしいいい匂いがしてくる。

そして、真っ暗な中で焚火の炎が揺らめく様に心が癒される。

ただ、幾ら結界内だとは言え匂いは外へと洩れて行く。

魚が焼けるいい匂いに釣られ、森から魔物が現れた。

フォレストウルフだ。しかも、7匹も来た!

俺は慌てずコルトパイソンを抜くと、狙いを定めてトリガーを引・・・けない!?


「拓哉様、セーフティーを解除しないとトリガーは引けません。」


リズに突っ込まれた・・・お恥ずかしい。

リズに手ほどきを受けた後、気を取り直してフォレストウルフに照準を合わせてトリガーを引く。


パァーン!


と、銃声が鳴り響く。

そして、俺は反動で後ろへ倒れる。

フォレストウルフは、突然の音に驚き逃げて行く。

弾は、全く別の方向へと飛んだ。

ダメじゃん。


「む、難しいな・・・。」


「慣れが必要です。初めは、中腰で膝を立てしっかりと重心を落としてから撃つ事をお勧めします。」


なるほど・・・異世界だからと言って、何でもすぐに出来る訳じゃないのね。

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