第25話 ドキッ!ツッコミだらけのガチャ大会①

大騒動の翌日

朝から俺は沈んでいた。

そりゃ、あんな事があった後、書斎とは言え自室で寝れる訳ないだろ?

結局、応接室のソファーで寝たよ!

んで、中々寝れなくて・・・。

要は、寝不足だ。


「ふぁ〜っ。」


もう、何してても欠伸が出る。

ダメだ。

今日は狩り無理。

伊川達女子チームが作った朝食を食べた後、ガチャを回す為に全員を呼ぶ。


「とりあえず、今日は最高30連。場合によっては10連終わりで回したいと思いま〜す。ドンドンドンパフパフ〜」


と、やる気のない声で告げる。


「さて、伊川。よろしく。今一番欲しいのは、これよりデカい携帯マジックハウスだ。次に欲しいのは、召喚の指輪。後は、女子用冒険者の服上下と冒険者の靴だな。頼んだ。」


俺はそう言ってスマホねのガチャ画面を見せる。


「あ、一日一回また忘れてた・・・伊川、両方頼む。澤田は、後でスキルよろしく。」


ダメだな。

1日1回を直ぐ忘れてしまう。

気を付けよ。


「最初は1日1回の方を引くね?」


そう言って伊川はボタンを押す。


ガチャマシーンが揺れ、カプセルが飛び出す。


「UR携帯マジックフォルトをゲット!」


あ〜やっぱ、やりやがったわ。


「やっぱ、持ってる女伊川。流石だ。」


「え〜!何その言い方〜!!」


「いや、素直に褒めたんだが。」


伊川は頬を膨らませてプンプンと言いながら怒ってる。

いや、ちょっと可愛いんだけど。


「ま、一発で出すなんて、伊川くらいしか居ないからな。今までの実績の積み重ねだな。後10連よろしく。」


「わかったよ!」


伊川は、プンプンと口で言いながら10連のボタンを押す。


「N冒険者の服上下をゲット!」

「N冒険者の靴をゲット!」

「SR 無限レージウの布各色セットをゲット!」

「R無限ソーイングセットをゲット!」

「R携帯家庭菜園セットをゲット!」

「Nパン10個をゲット!」

「HR言語理解の指輪をゲット!」

「SSRマジックバッグをゲット!」

「N冒険者の服上下(女)をゲット!」

「N冒険者の靴をゲット!」


うん、ご都合ガチャだな。


「絶対に伊川はこれ作った奴に優遇されてそうだ。」


「何それ!」


「大体欲しいな~と思った物が出るんだから、そう思いたい。」


「ムッ。事実だから何も言えない。」


まあいい。

とりあえず、全員に部屋にある荷物を纏め、外に出る様に伝える。

全員が出たら、屋敷を仕舞い新たなホイポイカプセルを地面に投げる。

ポンッとカプセルが消え、現れたのは


「砦だな。」

「砦だよな。」

「砦だね。」

「砦なんだ。」

「ゴツいね。」

「凄いわね。」

「砦初めて見た。」

「凄っ!」

「確かに凄い。」

「うわ〜。」

「何これ・・・」

「砦なの?城じゃなくて?」

「流石、タクヤさん。」

「タクヤ凄い!」


ま、凄いのはこれを出したガチャと引いた伊川なんだが。


「確かに、フォルトfortは砦や要塞っう意味だからな。しかし、クソデケえ。」


どれくらいと言われると、測ることが出来ないからわからないが、屋敷の2倍はありそうな塀に囲まれた城壁の中に、建物があると言った感じだ。


・UR携帯マジックフォルト

マジックカプセルに入った要塞建物。

展開させる時は、ボタンを押し地面に放る。携帯する場合は、城門横にあるボタンを押す。

隠蔽、結界が付与されており、結界の範囲は中心から半径60mである。

建材は、切り出したザノ石にテーロ霊鉱で被覆された物。例え孤独の神ヒトリミーンと言えども、壊す事は不可能である。

全室冷暖房完備、4口マジックコンロオーブン付き、マジック冷蔵庫付き、風呂トイレ別

国境警備最前線モデル


「いや、ザノ石もテーロ霊鉱も知らねーよ!つか、説明が分り辛い上に適当じゃねぇか?そもそも、孤独神ヒトリミーンってどんな神だよ!どんだけの破壊力なんだよ!」


俺のツッコミに全員が吹き出す。


「もう、マジツッコミどころ満載だぞ?これ。」


俺が鑑定の指輪を外し「見てみるか?」と言うと、全員が見たいと言って指輪を回し始める。

そして、鑑定結果を見た奴から順に、俺と同じ事を言い始める。


「マジ、こんな訳分からん鉱石や隕鉄とか、かなり多いぞ?」


全員が鑑定し終わり、戻って来た指輪を嵌めると俺達は砦内部へと入って行く。


中は、まあ砦だ。ただ、国境警備最前線モデルだからなのか、かなりデカい。

先ず城門を潜り、砦までが30mはありそうだ。と言う事は、城壁は100mくらいはあるのか?

砦の真正面にある扉を開けて中に入ると、左右を壁に挟まれてロビーへと出る。

内部構造は屋敷と大差ない。

建物が大きくなった分、部屋が一回り広くなったくらいだ。

二階には左右に通路があり、右側の通路を挟んで各5部屋。

左側の通路を挟んで左5部屋、右3部屋だ。

そして勿論右側手前はさらに広くなった書斎と更に広くなった寝室があり、ベッドが二人用から四人用になっている。

これ、誰が寝るんだ?


「東條君は、この部屋ね?私、東條君の前の部屋貰うから。」


伊川にまたしても部屋を決められてしまう。

そして今回は、3階がある。

二階に上がって来た階段の隣には三階に上がる階段があり、それを上がった先はロビーが。そのロビーから左右に通路が伸び、各4部屋が通路の左右にある。

人数的には、22人が住める計算だ。

そして部屋を勝手に決められた俺は、自室で龍平と話をしていた。


「これさ、ホント都合が良すぎるよな。何だか恐ろしいわ。」


「確かに。だがよ、もしかすると拓哉が女子の肩代わり引き受けてるから、いいモン出してくれてる可能性も無くはないと思うが?」


「いやまあ、それならこんなん要らんから普通に帰らせて欲しいわ。」


「あ〜、確かにそれは思うわ。」


「そもそも良く考えたらさ、1000億稼いだとしてそれって俺達の物になるのか?」


そう、1000億稼いだら元の世界に帰れるとは書いてあったが。1000億が手に入るのかどうかは明言されてはなかった。


「あ〜確かに明言されてはなかったな。」


「そうだろ?お!そろそろ降りるか。」


俺と龍平は話を切り上げると、リビングへと降りて来た。

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