第24話 勘違いからの大騒動

エヴァからこの世界の話を聞いた後、全員出て行った筈のダイニングには俺とエヴァとイシュカが残っていた。

何故って?

二人が部屋を使う事に抵抗を示したからだ。


「タクヤ、あのね。あたしが来たせいで他の人が部屋を使えなくなるのは心苦しくて・・・。床と屋根さえあれば、あたしは何処でも寝れるから他の人に部屋を使って貰って。」


「タクヤさん、私もエヴァちゃんと同じ気持ちです。だから、他の方にお部屋を使って貰って下さい。お願いします。」


「いや、まあとりあえず今日だけかもしれないし、あまり気にしなくていいぞ?」


引き強の伊川に明日30連を引いて貰うんだ。何かしら出ると思うんだがな。


「いえ、それでも私は気が引けます。」


「あたしも。」


「ん〜。逆に俺的には、イシュカとエヴァはちゃんとベッドで寝て欲しいんだよな。特にイシュカ。まだ子供なんだからさ。あ、んじゃさ俺の部屋使うか?俺のベッドなら一緒に寝れるぞ?中から鍵も掛けれるし。安心安全だ。」


二人は何か考えるように目を合わせる。

そして、何故か顔を赤らめ恥ずかしそうに頷く。

何で赤いんだ?


「んじゃ、とりあえず部屋に案内しようか。俺は成川達には伝えてくるから、部屋で待っててくれ。」


俺は二人を部屋に連れて行くと、その足で成川を探す。


「イシュカとエヴァが部屋要らないからそっちで使ってくれだとさ。」


「え?いいの?でも二人は何処で寝るの?」


「床でいいっうから、俺のベッドに寝させる。寝室は鍵掛かるし、俺はソファーで寝ようかと思ってな。」


「なるほど。と言うか、あんた手出したらダメだからね?イシュカもエヴァも年齢的には中学生なんだからね?分かってる?」


「出すかってえの!俺はロリじゃねぇ!」


「ならいいけど、絶対にダメだからね!?」


「わーてるよ!んじゃな、おやすみ!」


俺は、プンスカしながら自室に戻る。

そんなに信用無いのか俺は。

そして、自室に戻って唖然とする。

と言うより、速攻でドアを閉めた。


「ちょ、お前ら何で服着てないんだよ!」


そう、イシュカもエヴァも素っ裸だったのだ。少し見ちゃったけど。


「いえ、タクヤさんが共寝と言われたので・・・。タクヤさんなら身を捧げる事に否はありません。」


はい?


「あたしも、タクヤなら身を捧げてもいいよ。」


いや、意味わからんのだが!?

いつ俺が一緒に寝ると言った?

鍵掛かるからって言ったじゃねーか!


「いや、俺は一緒に寝るとは言ってねぇぞ?イシュカとエヴァがベッドで寝て、俺はソファーで寝るつもりだからな?だから、早く服着ろよ!」


「いえ、タクヤさんのお部屋なんですから、タクヤさんが布団を使って下さい。私は隣で休みますので。」


「そうだよ。あたしも隣で寝るからタクヤがベッドで寝て。」


いやいや、無理無理。

と、廊下でそんなやり取りをしていると、必然的に前の部屋の伊川が気付く。


「東條君、大声でどうしたの?」


と。


「丁度いい所に現れた!伊川、イシュカとエヴァに、服着るように言ってくれ。俺が中に入れねぇ!」


「はい?イシュカちゃんとエヴァちゃんが中に居るの?もしかして、東條君連れ込んだの!?」


はぁ?何でそうなるんだよ!


「ちげーから!二人が部屋を使うのを断って来て、床で寝るっつうから俺のベッド使えって言っただけだ!寝室は鍵掛かるし、俺はソファーで寝るつもりだったのに、何をトチ狂ったか服脱いで待ってんだよ!頼むから、二人を説得してくれ!」


と、必死に弁明した声を、全員が拾う。

そして、「何だ何だ?」と全員部屋から出て来て大騒動に。


そして暫く後。


「タクヤさん、すみませんでした。」

「タクヤ、ごめん。」


ちゃんと服を着た二人が部屋から出て来る。


「東條君の言い方もダメだと思うよ?」


と、部屋から出て来た伊川に怒られる。

WHY?


話を聞くと、俺は二人で寝ろとは言ってないらしい。そして、俺はソファーで寝るとも言ってないらしい。

で、二人が勘違いし、でも俺ならいいよ的に全裸で待っていたんだそうだ。


「・・・それはすまんかった。」


俺は伊川に土下座させられイシュカとエヴァに謝った。

何故土下座・・・。

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