第23話 現状確認をした

俺はエヴァに「ここは何処だ?」と聞いた。

エヴァは首を傾げながら


「この森は、「魔窟の森」。入口や盗賊のアジトの付近はそうでもないけど、ちょうどこの屋敷の反対、来た方から真っ直ぐ進んだら魔物が突然強い魔物に変わる場所。サーベルタイガーや、ジャイアントパイソン、ブラッドベア、ブラッドオーガ、デススパイダーとか、強い魔物が沢山出るの。」


「俺らが来た方か。」


「えっ!?」


「ジャイアントパイソンとサーベルタイガーには襲われたからな。」


「・・・良く生きてたね。」


「ギリギリ何とかな。」


「サーベルタイガーの毛皮や牙は高値で売れる。ブラッドオーガもブラッドベアも角や毛皮、皮が高く売れる。ジャイアントパイソンは皮と毒袋が、デススパイダーは糸袋とお尻の針が高値で売れるよ。」


「ほうほう!サーベルタイガーは、牙も皮もあるぞ?ブラッドベアも皮が3枚4枚あるし、ジャイアントパイソンも皮がある。」


「タクヤ達、強いんだね。」


「いや、俺達が強いんじゃなく、リズのお陰だけどな。」


俺は親指で後ろに立つリズを指す。


「彼女は?」


「リズって、ん〜機械で出来た人かな?俺の相棒だ。」


「機械?で出来た人?ゴーレム?」


「ま、そんな感じだと思ってくれ。ところで、この国は何て国だ?近くの町はどんな所だ?」


と、聞きたい事を色々聞いた。

先ずこの国は、ブリックス王国と言うらしい。

近くには、リメリアと言う大きな街とクォールと言うそこそこ大きな町があるそうだ。

「街と町の違いは?」と聞くと、「住んでる人の数の違いよ」と教えてくれた。

「この国に、ダンジョンなる物はあるのか?」には、「あるよ?リメリアに一つあるし。」と教えてくれた。


「なら、わざわざここに居るよりは、リメリアに行く方がいいのか?」


「タクヤ達はお金持ってる?街に入るのに、一人銀貨一枚必要だよ?あ、あたしは冒険者だから、掛からないけど。」


「やっぱりか。ラノベ通りだな。」


「ラノベ?」


「ん?ああ、こっちの話だ。ちなみに、これで足りるだろ?」


俺は、盗賊の所から回収した袋をエヴァに見せた。


「す、凄い・・・白金貨に金貨、あ、これが銀貨だよ。こっちが銅貨。本当は、銅貨一枚を1グードって言うんだけど、分かり辛いから銅貨何枚とか銀貨何枚と言うの。」


「ゴールドじゃねぇのかよ!」


伊川と澤田が笑ってやがる。


「ゴールド?グードね。これだけあれば、一年は確実に働かなくても暮らせるよ。もっとかな?」


まあ、それは考えてないからいい。


「通貨単位はどうなる?」


「銅貨100枚で銀貨1枚に。銀貨100枚で金貨1枚に。金貨100枚で白金貨1枚になるよ。」


「よし、大体把握した。みんなも、理解したな?」


全員頷く。


「よし、もう一つ、二つ教えてくれ。一年が何日かと月や日と言う概念。後、季節と一日の時間についてだ。」


エヴァ曰く、一年は360日。

一月、二月と言う概念は無く、春の何日、夏の何日と言うそうだ。季節は春夏秋冬の四つ。ここは変わらないな。

各季節は90日ずつらしい。なので、春の90日の翌日は夏の1日になるそうだ。

ちょいややこしくなりそうだ。

春は暖かく、夏は少し暑くなる。秋は涼しくなり、冬は寒くなり雪が降る。

ここらも変わらない。

ちなみに今は夏の14日だそうだ。



それと、一日は多分24時間だと思う。

何故なら、俺達のスマホの時間がそうなってるからだ。

それと、エヴァが言った


「町では、早朝に一回、その後に一回、お昼頃に一回、お茶の時間に一回、夕食の前に一回、教会の鐘が鳴るの。だから、時間は分からないよ。」


良くラノベである、6時、9時、12時、15時、18時の鐘だな。これを合わせると、確実に24時間で間違い無いだろう。

清水の意見も同じだった。


「了解だ。これでようやくこの世界の事が少し分かったな。んじゃ、今度は俺達の事だ。」


俺は、この一月少々で起こった出来事をイシュカとエヴァに話た。

その上で、ガチャや魔石換金、色々なアイテムやストレージの事も伝えた。


「なるほど。皆さん大変だったんだね。今の話を聞いて二つ程伝えとかないといけない事があるの。」


「ん?何だ?」


「先ず、そのストレージと言う能力だけど、この世界には同じ様なスキルにマジックボックスと言うのがあるの。ただ、このスキルって珍しくて持ってる人が少ないの。代わりに凄く高いけど、マジックバッグと言う鞄を持つ人は大勢居るの。だから、そのストレージと言う能力はあまり人前で使わない方がいいと思う。特に戦う力のない女の子は。もし使いたいなら、肩掛けの鞄をダミーに使う事をお薦めするよ。」


「なるほど、それは有難い情報だ。エヴァ、教えてくれてありがと。」


「いえ。もう一つ。ガチャに関しても、言わない方がいいと思うよ。あたしもイシュカちゃんも、タクヤ達に助けて貰ったし良くして貰ってるから言わないけど、悪意ある人が知ったら利用される可能性が高いよ。利用されると言う事は、捕らえられて自由を奪われる事に繋がるから。」


「なるほど〜。となると、女子にガチャが無くなったのは好都合だった訳だ。」


「俺と拓哉は大変だけどな。」


「まあ、それはもう成川を助けた時点で諦めてるさ。」


「拓哉、ごめん。」


「いいって。知った仲だろ?だから、気にすんな。あぁ、新谷も三宅も花房も原田も気にしなくていいからな。」


四人も申し訳なさそうにしていたので、俺はそう言ったが・・・あんま変わって無い。


「よし、今のところ聞きたい事はこれくらいか?他に何も無ければ、もう遅い時間だし今日はお開きにしよう。」


その言葉で、全員席を立ち部屋を出て行った。

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