第22話 第一冒険者確保!

夕食を食べた後、盗賊の所から回収してきた食材などを伊川に渡し、先ずは5人に色々説明した。

その上で、5人に謝られ助けられた事に感謝された。ま、成川のついでだっただけなんだが。

一応、ここのルールは伝えたが、何かしようにも何も無い為ある程度分担して家事系をやって貰う事に。

ただ、成川は元々俺や龍平と同じく剣道女だ。そのせいか、「拓哉に負担ばかりさせられない!」と意気込み、戦闘員を希望した。

ま、やる気になってくれるのはいいが、死なない様にして欲しい。なんせ、この周りにはサーベルタイガーが居るし。

ま、明日ガチャ回して色々揃えよう。

ん?何揃えるかって?成川の服と靴だな。

こいつら、制服のままだから確実にガチャ引いて無い。制服のままで、戦闘させる訳にはいかないからな。


「と言う事で、5人の話は終わりだ。続いて、イシュカ、エヴァ、二人の話を聞きたいがいいか?」


「はい。」

「うん。」


「先ず、2人の年齢は?」


「私、14歳。もうすぐ15歳になる。」

「あたしは、15歳。」


「イシュカが14でエヴァが15ね。2人は知り合いなのか?」


そう聞くと、2人は首を横に振る。


「盗賊の所で知り合った。」

「先にエヴァちゃんが捕まってて、私が後から捕まったの。」


「なるほど。イシュカとエヴァは何処から来たんだ?」


「私は、お父さんとお母さんと一緒に行商で各地を転々としてるから。」


「お父さんとお母さんは?」


「盗賊に殺された。」


「それはまた・・・。エヴァは?」


「あたしは、冒険者として登録したばかりで、薬草採取の最中に盗賊に襲われたの。」


「冒険者?やっぱり、冒険者ギルドはあるのか?」


「え?あるに決まってるでしょ?」


「いや、全くそこら辺の情報が無くてな。エヴァは、ここら辺に詳しいのか?」


「ん〜凄く詳しい訳ではないけど、多少なら?」


「マジか!それは助かった!後で色々教えてくれ!」


「そ、それくらいは、助けて貰った訳だし教えるのは大丈夫だけど。」


俺が喜びの余りエヴァの手を握ったからか、エヴァが引いた。


「それでだ。イシュカは、帰る所が無いんだよな?」


「・・・はい。」


「ウチで良ければ住み込みで働くか?と言っても、女子率高いし、あんまやる事無いし、給料は出してやれねえけどな。ま、飯は食えるぞ?」


「何でもします。よろしくお願いします。」


イシュカは席から立ち上がると、頭を下げてお願いする。

そして、今までの会話はダイジェストで伊川が他の奴らに話している。


「こっちこそよろしく頼むな。でだ、エヴァはどうする?」


「あたしは・・・出来れば、ここに置いて欲しい。また一人で採取してて、盗賊に捕まりたくないし。その代わり、何でも聞いて!あたしがわかる事は全部教えるから!後、少しだけなら戦闘も出来るよ!だから、お願いします。あたしも、ここに置いて下さい。」


余程怖かったのか、エヴァは泣きながら頭を下げる。


「今更一人や二人増えた所で、対して変わらんからな。別に俺は構わんが、みんなもいいか?」


イシュカは仕方ないとして、エヴァの場合は一応全員に聞く。


「拓哉に任せるぞ。」

「ぼ、僕も、居候みたいなもんだし。」

「そんな事言ったら、女子全員が居候じゃない。」

「確かに。」

「東條君が決めればいいと思うわよ。」

「僕も、インチョウに同じく!」

「私らはさっき合流させて貰ったばかりだし、拓哉に任せるよ。」

「「「「「うんうん。」」」」」


「俺任せかよ!んじゃま、エヴァよろしくな。」


「ありがとう。」


エヴァには伊川以外の言葉は伝わらない。が、何となく雰囲気で察したんだろう。俺の言葉を聞き、更に泣きながら礼を言われた。


「そうなるとだ。部屋が足りん。申し訳ないが、伊川、澤田、河野、水谷、龍平、清水は、初めからの特権と言う事で一部屋は変わらずだ。残り4部屋を7人で使ってくれ。一部屋だけ3人になるが、そこは我慢してくれ。明日、強運の伊川にガチャ引いて貰うから、更にデカい屋敷が出る事を祈ってくれ。」


成川達、後続組は「仕方がない」と了承。

イシュカとエヴァは申し訳無いと俯く。


「ま、そう落ち込むな。もしかすると、明日のガチャで城くらい出るかもしれないぞ?」


と、冗談で言ったが、伊川が引くと本当に出そうで怖い。


「さて、エヴァに色々聞きたい事がある。ここは何処だ?」

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