第26話 ドキッ!ツッコミだらけのガチャ大会②

リビングで寛ぐ俺と龍平。

そして、部屋を決めた女子達が、続々とリビングに集まって来る。

全員が集まったところで、再びガチャで出た物の確認だ。


・R無限ソーイングセット

針、糸、平ゴム、金具類等無限に使用可能なソーイングセット。


・R携帯家庭菜園セット

展開させる時は、ボタンを押し地面に放る。携帯する場合は、畑の横の操作板にある格納ボタンを押す。

これを展開させると、キャベツ、玉ねぎ、トマト、白菜、ナス、キュウリ、ネギ、ニンニクの畑が現れる。

広さは20m×10m


・HR言語理解の指輪

この世界の共通言語が理解出来るようになる。


・SR 無限レージウの布各色セット

レージウの糸を紡ぎ、織った布。物理防御、魔法防御に高い耐性を持つ。

幾ら使っても無くならない。


・SSRマジックバッグ

容量無制限、時間停止付きのマジックバッグ。


「これ、あれだな。女子に野菜造りと、服飾造りをやれっつう事だな。」


俺がそう言った瞬間、女子から「えーっ!」と大ブーイングが起こる。


「いや、服や下着類作れば買わずに済むだろ!」


「服なんて作れる訳ないでしょ!」

「農業なんてやった事ないし!」


だそうです。

しかし!ここで、それを覆す人物が現れる。

先ず一人目。


「あら?農業なんて、種を植えて水を撒けば直ぐですわ?」


河野公子だ。

ま、確かにそうなんだが、水は何処から汲んでくると言いたい。


二人目。


「みなさん、服は高級品です。誂えると、金貨がそれこそ数枚以上掛かります。中古の服でさえ、一着安くて銅貨50枚から。高いのだと銀貨数枚します。ですので、私達商人でも服は母親が布を買い仕立てるんです。色々な色の布が無限に使え、針も糸も無限に使えるのなら、自分で仕立てた方がお金が掛からずお得です。」


流石、現地人の商人の娘。

説得力が違う。


「まあ、やってみればいんじゃないか?何事も挑戦だ。俺達戦闘組みだって、挑戦してんだ。命が掛かって無い分、楽だろ?」


命と言う言葉を聞き、ブーイングを上げていた女子全員が押し黙る。


「ま、最初は交代でやってみればいんじゃないか?ま、それは内勤女子に任せるわ。でだ、成川は本当に戦闘組みでいんだな?」


「ええ。拓哉だけに負担を掛けさせたくないからね。」


「危険だぞ?」


「承知の上よ。」


「わかった。んじゃ、言語理解の指輪は成川を渡しとく。男は、俺が言語理解があるが、女子は内勤組みの伊川だけだからな。戦闘中にエヴァとのやり取りもあるかもしれないからな。」


俺はそう言って言語理解の指輪を成川へと渡す。


「わかった。大切にするね。」


「後、冒険者の服上下と靴だ。戦闘でジャンプしたりするだろうし、ズボンの方な。後、オーガの革鎧。エヴァにもオーガの革鎧渡しとく。武器は何使う?」


俺はストレージの中の武器を教える。


「私、やっぱり剣かな。」


「あたしは元々剣だったので。」


と言う事で、二人に鋼の剣を渡す。

一応、予備として成川には鋼の槍、エヴァには鋼の短剣を渡しておく。

エヴァはストレージが無いからな。


「さて、これで準備が整った。とりあえず今日は盗賊のアジト側で肩鳴らししよう。龍平、清水、リズ行けるか?」


「おう!」

「うん。大丈夫。」

「問題ありません。」


「じゃ、俺達は森に行ってくる。残る女子は、適当に色々やっててくれ。」


リビングの机に布、ソーイングセット、ホイポイカプセルに入っている家庭菜園セットを置くと、俺達は砦を出て狩りに向かった。



砦を出たのは、昼前だ。

少しでも魔物を狩る為、昼食は半分ずつ移動しながらアプルルを齧る。

そして、砦を出て約一時間半。

第一獲物を発見する。

ゴブリンだぁ〜。

三匹が棍棒片手に歩いている。

俺達は、木の影に隠れ、様子を伺う。


「成川、龍平、清水行こうか!」


俺は三人に向いそう告げる。

龍平と清水は難なくゴブリンへと飛び掛かる。

成川は少しキョドッているが、意を決し剣を両手に握り締めて飛び出した。


「リズ、成川が危なそうならサポートしてやってくれ。」


「畏まりました。」


「エヴァはこの次な。」


「わかった。」


龍平はゴブリンに接近すると、獣王爪の小手でゴブリンを殴り付ける。

清水も槍を振りゴブリンを牽制しながら相対している。

成川は、迫るゴブリンに腰が引けてる感じだ。しかし、上手く剣でゴブリンの攻撃を受け流している。


龍平はゴブリンを滅多打ちし、最終的にはゴブリンの首がグルンと後ろを向き戦闘を終えた。


清水は、槍を突く突く突く。とにかく、突きまくる。これが正解と言う訳ではないが、ひたすらに突きまくった結果たまたまゴブリンの腹に刺さる槍の穂先。

そして、ゴブリンが怯んだ隙に突き出した槍の穂先がゴブリンの頭蓋へとヒット。そのまま地面へと倒れ込み戦闘が終了した。


成川は、ゴブリンの猛攻に攻撃する暇がない。

しかし、ゴブリンとて体力には限界がある。

棍棒を振り回していたゴブリンは、少しずつ動きが鈍くなる。無論、成川だって同じ事だ。しかし、攻撃するのと攻撃を往なすのでは体力の消耗具合が違う。

次第に鈍くなるゴブリンの動きに合わせ、成川は初めて剣を振り抜く。

綺麗な横一文字に振り抜かれた剣先が、ゴブリンの腹を切り裂き内臓を引き摺り出す。

腹を斬られ、腹の中の臓器が「呼んだ?」とばかりに出て垂れ下がったゴブリンは、腹を押さえて転げ回る。

そこを成川は見逃さない。

ストレージに剣を仕舞い、槍を取り出すと力を振り絞りゴブリン目掛けて突き刺す。

穂先は見事、ゴブリンの股間へと刺さり、もんどり打つゴブリンは股間からと腹からの出血によりその命を散らす。



「ま、まあ・・・完璧とは言えないが、初めてにしては良かったんじゃないか?ただ、あまり時間を掛けると次の戦闘に支障をきたすから、倒すならサッと倒さないとな。後は、胸を切り裂き魔石を出せば終わりだ。最後まで頑張れ。」


俺は、三人に(特に成川に)そうアドバイスをし、魔石回収までやらせた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る