第71話 たまのバカンス
結論を言おう!
まあ、来て良かった。
ピストン輸送で全員を運んだ後、部屋決めとなったのだが海上コテージが15棟あり、ベッドが三つ付いているので俺達屋敷組は二人一部屋で分れる事に。
ギルド関係者は、メイン建物の中の部屋を使う事に決まった。
ただし!ここで少し問題が発生する。
そう、亮平と紗代子のリア充バカップルが同じ部屋に入りやがった。そうなると、誰もこの部屋に入りたがらない。
そして、龍平と康太が同室にここにセバスチャンさんが何故か入った。
アルバロさん、クラースさん、ダリルさん、ドグさんの四人は、本館の四人部屋に。
「え?俺は?」
そう、俺がハブられたのだ。
ま、リズとシャファが居るから、それで一部屋使っても良かったのだが・・・
「それじゃ、誰が拓哉君と同じ部屋になるかジャンケンね!」
春香のその一言で、何故かイシュカ、エヴァ、そしてロラさん達現地人組も加わり残りの女子全員と大ジャンケン大会が始まった。
「なあ、主はモテるな。」
アルベロさんが俺にそう言って来るが、俺は全く身に覚えが無い。
「別にカッコいい訳でも無いし、頭がいい訳でも無いし、俺の中にモテる要素が一つもないんだけど?」
「とは言え、彼女らのあの必死さは凄いと思うが。」
クラースさんまでそう言って来る。
「ガッハッハ!ロラがあんな必死の顔をしているのを始めて見たぞ。ありゃあ、本気で主を狙ってるな。」
「ダリルさんまで・・・え?つか、あそこシーラちゃん居ません?」
「あ、居るな。」
女子達に紛れ、何故かシーラちゃんが参戦している。
俺は、ロリ趣味無いんですけど・・・。
「主は金は持ってるし、冒険者で強いし、妙な特技もあるしな。それに俺達からすると命の恩人だからな。女共は、何とかして主に恩を返したいんじゃないのか?後は、玉の輿だな。クックック。」
そう下品な笑いをするアルベロさん。
「なんか怖いんで、俺船で寝ますわ。」
俺は背筋に寒気が来て、そそくさとその場を離れる。
そして、船を出すとそっと岸から遠ざかった。
その後、昼食を食べに浜に戻った俺を待ち受けていたのは、女子(現地人含む)全員からのヘタレコールだった。
んな事言っても、俺だって困るんですよ!
結局その日の晩は龍平達の部屋へと転がり込み、床に毛布を敷いて寝ましたとさ。
それはさておき、昼からは海水浴となった。
水着が無いけど?と思ったのだが、「そんな事だろうと思って作っておいたのよ!」と裕美(北川)に言われ、俺達男子にも手渡された。
いつのまに女子達は水着を作ったんだ?
そして俺達の前に、水着を身に纏った女子達アーンド現地人の女性達が現れる。
流石にスク水では無いが、女子達は全員色とりどりのビキニやワンピースに着替えている。
そして注目すべきは、ロラさんだ!それはもう前屈みになりそうな程の超ハチ切れんばかりの巨胸を揺らし、先っぽだけが隠れる程度の布面積のビキニで現れる。そうこれは、マイクロビキニってやつだ!
もうマジ眼福だった。
しかし、その幸福な時間も直ぐに終わってしまう。
そう、奴が現れたのだ。
筋肉ガチムチで、身長は2m。顔は四角く顎が二つに割れている。
そして、金髪縦ロールで、目元には紫のアイシャドー。ピンクのチーク塗りたくりで、口紅は真っ赤っか。何故か上半身裸でブーメランパンツを吐いた・・・ゴ、ゴホン。履いた、38歳独身の元ランクA冒険者の魔王キャサリンさん(本名:リック)だ。
つか、何故にブーメランパンツ!?そこは、フリルの付いたワンピースじゃねえのかよ!どっちにしても、気持ち悪いんだが。
そして、ちょっと真ん中が盛り上がっているのが更にキモイんですけど!
その姿を見た瞬間、俺達男子は背筋がピーン!と伸びた。
そんな俺達の姿を見たキャサリンさんに、その太い腕でスリーパーホールドを喰らうと言うハプニングはあったが、その後は楽しく砂に埋められ女子達が遊んでいるのを眺めていた。
そして夕食時。
里美(内藤)がストレージから出した物を見て、俺は驚く。
「これ、どうしたんだ?」
「え?キャサリンさんに紹介して貰った鍛冶屋さんに作って貰ったの。」
「へ~、良く作ってくれたな。」
「うん。最初は首を傾げてたけど、絵を描いて渡したら分かってくれて。」
「炭は?」
「炭は無いから、薪かな?」
そう、里美が取り出したのは、BBQコンロだった。
そして始まる砂浜BBQ。
俺は調子に乗って食材ガチャをシャファに引かせる。
出たのは、ビールに焼酎、日本酒にウィスキーと、酒ばっかだった。
「お前なぁ・・・。」
「いいでは無いか。これだけあれば、相当飲めるのじゃ。」
そこからは、大宴会大会が始まる。
初め「未成年はお酒を飲んだらダメなんです!」と言い張っていた公子は、現在「らくやく~ん、もういっはいちょうら~い」と、ベロベロだ。
そして、春香は相変わらず管を巻いている。
結局、女子全員飲んだらしく、本当にヤバかった。
そこかしこでゲーゲーやるし、突然服を脱ぎ始めるし。終いには、俺にめっちゃ迫って来るから逃げる羽目に。
結局、俺は本館へと逃れ一命をとりとめたが、その後どうなったのかは全く知らない。
もう、このままここで寝ようかな・・・。
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