第17話 一人消えた

伊川が、イーリスと言う騎士を召喚した後、全員自己紹介をし伊川から「今から移動するから、女の子を守ってね?」と命令が下される。

そして、屋敷を出ると俺は屋敷をホ〇イ〇カプセルに戻す。

これ、マジ大丈夫なのか?


これから森を歩き草原へと出る。

俺と龍平が先頭を歩き、俺達二人の後ろを伊川、澤田、河野、水谷が歩く。殿にリズ、清水、イーリスが歩く。

流石に一日での走破は無理だ。

魔物も襲ってきて、それに対応して行くと、どうしても森の中で一泊する事になる

そして、屋敷を出すスペースが先ず無い。更に、テントが3つしかない。

現在、男3人、女4人。後リズとイーリスだ。

あ・・・問題ないわ。

俺のテントに男三人。龍平のテントにイーリス、伊川、澤田の三人。河野のテントに河野、水谷、リズの三人で別れて休む事に。

今日倒した魔物はオーク二匹とゴブリン三匹。

俺がゴブリンの魔石一つ貰い、残りを龍平と清水に一つずつ渡した。

殆ど俺とリズが倒したんだが。

ちなみに、イーリスは一切戦闘には参加してない。

何故なら、女子を完全防御で守っていたから。

チッ。


二日目。

アプルルを一つずつとパンを半分ずつ食べ、先ずは森を抜ける為に頑張って歩いた。

そしてそれが叶ったのか、夕方にはなんとか森を抜ける事が出来た。

多分、最初に森に入った時より早いと思う。

森を抜けた所で屋敷を出し、今日はここで休む事に。

今日の成果は、オーク1匹、ゴブリン5匹だ。

やはり、浅い所にはゴブリンが多い。

俺がゴブリン2匹、龍平がオーク、清水がゴブリン3匹の分配となった。


つか、女子の風呂が長すぎて、男が待ち惚けだ。


三日目

屋敷を仕舞うと、草原を横切る為に歩き始める。

ここで一人発見する事になる。

ただし、既に死んでいた男子だ。

名前は譜海野星雄ふうんのほしを。清水と同じく、あまり目立たないヤツだ。

制服のままで、倒れており体中が滅多刺しされている。

多分、ガチャすら引く事も無く、ゴブリンにやられたんだろう。

穴を掘って埋めてやりたくても、スコップが無い。

俺達は、泣く泣くそのまま立ち去る事に。

こう考えると、清水も良く生きてたな。


譜海野の遺体を後にした俺達は、ひたすら草原を歩き漸く反対側の森へと辿り着く。

ここで夕方となった為に、屋敷を出して休む事に。

今日の収穫はゼロだ。

明日から頑張ろう。


四日目

森に入る。

隊列は変わらず、俺と龍平が前列。伊川と澤田、河野と水谷が中列。リズ、清水、イーリスが後列だ。

森に入ると先ずイノシシを発見する。

俺はコルトパイソンを抜くと、イノシシ目掛けて弾丸を放つ。

俺達の前を横切ろうとして居た為、眉間にとはいかなかったが耳の後ろに弾丸が入りそのままイノシシは倒れる。

そして、血生臭くならないように、一気に近付くと鋼の剣で首を切り裂く。

激しく血飛沫を吹き出しながらイノシシは息絶える。


「晩ご飯ゲットだな。」


「拓哉、ホントにワイルドになったな。」


「そうか?俺って、そんなにワイルドだろ?」


「ギャッハッハ!古っ!」


とまあ、そんなバカ話をしながらも、俺達は森の奥へと向かって歩く。

とは言え、そんなに都合よく屋敷が出せる場所がある訳もない。

今日は森の中でマジックテントで野営だ。

なるべく結界が被らない様に設営し、テントの中心で夕食を摂る。

そして、その夕食中の事だ。

リズが何かに反応する。

そして、アサルトライフルを手にし銃口を森の方へと向けた。


ターンッ!


ドサッ


銃声後に、何かが倒れた音がする。


「拓哉様、大蛇です。解体して来ますね。皮はどうしますか?」


「一応回収してきてくれる?」


「畏まりました。」


やっぱリズで良かった。

イーリス、全く動かないし。そして、メッチャ喰ってるし。


20分後、リズが蛇皮と魔石を持って戻って来る。意外とデカい。ゴブリンの魔石が親指より少し大きいくらいなに対し、この蛇の魔石は拳大くらいある。

確かに、熊もオーガも同じくらいの大きさだったな。

もしや、大きさで値段も違うのか?


俺はスマホを出し、換金アプリの上に蛇の魔石を置く。魔石はスッと消え、メッセージが出る。


「ジャイアントパイソンの魔石一つ150G。円に換金しますか?YES/NO」


「おお!過去最高の150G来た!」


俺は迷わずNOを押す。

換金率二倍で300Gが増えた。


「拓哉、凄えな。」


「俺が凄いんじゃなく、リズが凄いんだけどな。」


「俺も召喚の指輪欲しいな。」


「なら、とりあえず1000G貯めないとな。一応、俺も協力するから。」


「おう!頼んだ!」


「東條君、この世界ってダンジョンはないのかな?」


「ん?ダンジョン?」


「うん。ラノベとかなら、大体ダンジョンってあるよね?」


「どうなんかな?俺もまだここから移動してないし、言葉通じなくて誰とも話してないんだよな。」


「もしラノベの通りなら、ダンジョンの敵は倒すとダンジョンに消えて魔石や素材が落ちる筈だよ?森で魔物探さなくても、階層が下になればなる程強くなる筈だから魔石の金額も高くなるんじゃない?」


「あ・・・なるほど。清水、お前偉いな。」


「いや、ラノベとか読むの好きだから。」


「拓哉、そうなのか?」


「ん〜、まあダンジョンがあればだけどな。ただ、そうなると街に入るのに金が必要だろ?それに、冒険者登録も必要なんじゃないか?となるとだ。せめて龍平と清水くらいは言語理解無いと厳しいぞ?」


「あ、確かに。」


「それと、いきなり登録してもダンジョン入れないかもしれないしな。」


「ん〜。」


「宿代やご飯代もバカにならないね。」


「だな。」


「ま、とりあえずここである程度揃えてからだな。特に、龍平と清水はスキル何もないし。」


「そうだな。」

「そうだね。」


「ま、先ずは俺らの強化からだな。」


ここで死んだら元も子もない。

譜海野には悪いが、俺らは堅実に進むんだ。

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