第3話 メタルな仲間

ムカつく説明を見て11連を引き終えた俺は、とりあえず今後の事を考える。


「まず、元の世界に戻るには、1000億貯めないと行けない。が、この世界で生活するのにも金が掛かる。ゴブリンの魔石が一つ15G。円に直して幾らになるかを調べないと。後、この世界の物価だな。15Gで何が買えるかだ。」


ラノベなんかだと銅貨1枚が100円とか良く言うけど、Gだと幾らなのか全くわからない。調るしかないのだ。


「後はレベルが無いと言ってたが、俺の基本的な運動能力がわからんぞ?」


剣道をやっていたから、多少運動神経はいい方だと思う。武器が無限鎖球だけど・・・。

ま、体力や筋力を付けるしかないか。


「つか、死んだら終わりって書いてあったし、召喚の指輪で召喚した奴を盾にすれば生き延びれるのか?」


俺は悩む。

元の世界に早く戻りたい。

しかし、レベルが無いのなら死ぬ確率が高い。


「と、なるとだ。やっぱり召喚しておいた方がいいって事だよな。」


俺は中指に嵌めた指輪を見る。


「良し、召喚するか!でも、どうせならむっさい男よりは、可愛い女の子が出てきて欲しいな。あ!異世界なら、ケモ耳娘とか!んで、旅をする中で相思相愛になって・・・ムフフッ。」


いや、一応言っておくが、俺は高校3年生の男子だからね?

そう言うのって興味あるじゃん?

興味ない方がおかしくない?

って事で、多少妄想してもいいと思うんだよね。


「よし!可愛い女の子よ出でよ!我が元へ!」


俺はそんな妄想を込めながら、召喚の指輪を使用する。

すると、召喚の指輪が光始める。

指輪からの光が次第に消えて行き、俺の目の前には可愛らしい女の子が立っていた。


その子は、身長約160cm弱か?

全身メタル系の肌をしており、髪は緑色のおかっぱ。

服は太腿丈までの黒白メイド服で、胸元が膨らんでいてメタルな谷間が見えている。

背中には箱型の何か背負っており、その両サイドに箱型の何かが付いている。

そして、左右の手にはやはり銃を持っている。


「ご主人様の召喚に応じ、参上致しました。名前はARIZ-0021プロトタイプです。何なりとお申し付け下さい。」


「・・・いやいや、異世界で機械少女って有りなのか!?」


俺は愕然とした。

だって、想像してたのと違うんだもん。

確かに、ナイスバデーなんだよ?ボンキュッボンなんだよ?だけど、メタルって・・・。

しかも、俺が無限鎖球なのに、この子銃ですよ?銃!背中にもヤバそうなの背負ってるよ?

俺要らなく無い?


「ご主人様。私は必要ありませんでしたか?」


ARIZ-0021が悲しそうな目でこっちを見ている。


「い、いや・・・必要だよ。ただ、何と言うか・・・思ってた感じと違っただけだ。俺は東條拓哉だ。これからよろしく頼む。」


俺は、がっかりしながらもそうARZ-0021に伝える。


「良かったです。これからよろしくお願いします。拓哉様。」


「あのさ、ARIZ-0021って呼び辛いんだけど、他に名前無いの?」


ずっとARIZ-0021なんて呼べるわけがない。


「私は製造された時からARIZ-0021でした。ですので、他の呼び方は存在しません。」


「なら、呼びやすい名前付けてもいいか?」


「拓哉様に名前を頂けるとは、光栄の極みです。」


光栄の極みって・・・。


「ARIZか。ありず。ありす?いや、リズだな。今からお前はリズだ。」


語呂的にしっくりくる。


「リズですね。では、これから私はリズと名乗ります。」


「改めてよろしく、リズ。一応確認なんだが、リズの武器を教えてくれるか?」


「私の武器でございますか?」


そう言って説明された武器に、俺は頭が痛くなる。

先ず、背中に背負っているのは、ミサイルポッド。両サイドに6発づつ計12発の自動追尾型ミサイルが搭載されている。

右手に持つのはアサルトライフル。左手が対物ライフルだそうだ。

銃の名前を聞いたが、全くわからん。

ちなみに「弾が切れたらどうなるんだ?」と気になり聞いてみたら、「それは構造上の機密事項に当たりますので説明出来かねます。」と言われた。

ご都合主義かよ!


「後、左の太腿のカバーを開けるとバイブレーションナイフが。右の太腿カバーを開けると拳銃が入ってます。」


戦うメイドさんか!

つか、どんな敵と戦うつもりなんだ?


「いつもその銃を持ったままなのか?」


「いえ、普段銃は背中のバックパックに内蔵されてます。必要な時には自動で必要な銃が出てきます。他にも、必要に応じてスナイパーライフルや自動小銃などがありますが、これらがどの様に仕舞われているのかはお答え出来兼ねます。」


「・・・。」


やっぱり青い狸系のようだ。


「リズの食事は?」


「私は食事を必要としません。強いて言えばエネルギーが必要ですが、第156惑星からの超音速動力供給システムにより常時エネルギーの補充がされておりますので、エネルギー切れで動けなくなる事はありません。」


もうツッコむのも疲れた。


「そうか・・・。とりあえず、状況を言うと、俺は誰か悪意のある者からこの世界へと連れて来られた。そして、1000億円。ええっと、俺の居た世界の通貨な。1000億円を稼がないと元の世界に戻れないらしい。ここまではいいか?」


リズは頷く。


「この世界には魔物と言うのが居るらしく、その魔物を倒して手に入る魔石と言うのを換金して1000億貯めないといけないらしい。そして、その魔石はこの世界での俺の生活の為にも必要だから、どんどん魔物を狩って魔石を換金して行かないと行けない。後、俺が生身で弱いから、ガチャってので強くならないといけないらしい。ま、とにかく魔物を倒して魔石を集める手伝いをして欲しいって訳だ。いいか?」


「畏まりました。このリズ、拓哉様の為に魔物と呼ばれる者共を駆逐してご覧に入れます。」


なんか先行きが不安だ・・・。

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