第31話 ちょっとした報告
それと、この90日で変わった事もあった。
クラスメイトの転移が数回ある。
一度目は、訓練をし始めて約10日した頃だ。転移場所がたまたま拠点の近くだったらしく、遭遇したリズが女子二人を連れ帰った。
名前は、内藤里美と北川裕美。
俺的に、内藤は真面目な奴だから問題無いとして、北川が少し金成寄りで微妙だった為入れたくは無かったが、女子達の意見もあり二人を招き入れた。
そして、この二人の肩代わりをしたのが、何と清水だった。
「ぼ、僕だって一応男だよ。東條君や猿渡君だけに押し付けて、自分は知らん顔する訳には行かないから。だから、二人は僕が肩代わりするよ。」
清水はそう言って、応接室に先に入った。
少しは男らしくなって来てると俺も龍平も思ったが、後から聞くと本人かなり疎外感があったらしい。
ま、俺と龍平は小学校からの腐れ縁だからな。
そんな中、俺が8000億、龍平が3000億で自分は1000億と言うのに悩んでいたそうだ。
そこで、次に女子が見つかったら自分が肩代わりを名乗り出ようと決心してたらしい。
俺は、「別にそんな事しなくても、仲間に変わりはないぞ?」と伝え、龍平も「拓哉の言う通りだ。男は俺達三人しか居ねんだからよ、気さくに行こうぜ!」と言っていた。
清水は「ありがとう。」と言いながら涙を流してた。
それから、俺と龍平は清水の事を「康太」と呼ぶようにした。
その数十日後、リズが女子一人の遺体を持ち帰る。
その遺体は、制服を破られ痛ぶられた後に腹を裂かれて亡くなっていた。
名前は、
俺達は、レージウの布を身体に巻いてやり、斧を駆使して穴を掘ると埋葬してやる。
普光が亡くなった事で、クラスの女子は後4人となる。
ウチのクラスは、男子17名、女子18名だ。こっちに11名、金成の所に2名、死亡1名なので、女子の残りは後4名と言う訳だ。
一方の男子はと言うと、俺、龍平、康太がこっち。金成の所に3人。残り11名の行方がわからない。
とは言え、その内助けてもいいと思うのは、近藤くらいだ。
近藤亮平。龍平と仲が良く、気さくでオモロい奴だ。俺ともそれなりに仲はいいが、龍平程ではないかな。
ま、近藤なら生き延びてんじゃないかと思う。
そして一番大きいのが、リズのお陰で龍平と康太がスキルガチャを引けるようになった事だ。
先ず俺の方から報告すると、この90日でアイテムとスキルが増えた。
そりゃ、90日間毎日無料がちゃを引けば増えるわな。
しかし、単発なので被る事この上ない。
最初は言語理解なども単発で出たので大喜びで他の女子に回したりしていたが、スキルが増えれば増える程被りまくる。しかも、同レベルが出ないからレベルアップもままならない。
なのでほぼ廃棄。つか、スキルにレベル必要か?
しかし、10連を引くといいスキルが増えるので、こらはハナから色々と女子に回した。
早い段階で強運の持ち主澤田が引いてくれた換金四倍(新たに出た)が役に立ち、結構ガチャを回せたのが大きかった。
後、残金も7455Gと余裕を持って貯まっている。
そろそろ円換金してもいい頃だと思う。
アイテムも何やかんやと増えたが、剣や鎧が溜まりに溜まりまくっている。
そして、鉄や鋼以外で良く知っているミスリルやアダマンタイン、オリハルコンなどの武器や防具などが出た。
後は、よく分からん隕鉄やら鉱石だから割愛する。
ガチャで一番嬉しかったのは、携帯マジック馬車だ。
お察しの通りのご都合馬車で、ゴーレム馬車ってやつだ。
中は、20人くらいは余裕で乗れる。
言語理解も全員が持つ事が出来たし、身体強化や護衛用の剣術なんかも女子用に揃って来たので、ようやく街にも行けると思う。
龍平と康太の所も同じで、スキルガチャが早い内に解禁となり、河野、水谷ペアと内藤・北川ペアに毎日の無料ガチャを引いて貰っている。
やはり、女子には甘い仕様なのか、確実に女子が引く方がいい物が出る。
なので、言語理解も全員が所持出来ているし、料理、裁縫、農業、生活魔法などが出ると女子に譲渡し家の仕事を任せられるようにもなった。
そして、肝心の戦闘系はと言うと、龍平は体術や槌術、身体強化や縮地などが充実し、換金二倍も手に入れた。
康太も弓術や槍術、身体強化に加え、換金二倍もゲットしていた。
そして三人共、どんなスキルをどうしたかと言うのを生徒手帳に記している。
特に女子に譲渡したスキルがこちらで確認出来ないからな。
そして、二人の残金は3715Gとなっている。
ま、そんなこんなあった90日が過ぎ、イーリスからも「腕を上げたな。もう多少の敵なら大丈夫だろう。」とお墨付きを貰ったので、いよいよ街へと繰り出そうと思う。
俺達は、今まで過ごした湖畔から森を抜けて草原に出る。
流石に非戦闘員が多数な為、安全な盗賊アジトだった側からのアプローチだ。
俺、龍平、成川を先頭に、非戦闘員を中に入れ、最後尾に康太、イーリス、エヴァ、リズと言う布陣だ。
ま、途中ゴブリンやオークが現れたには現れたが、危なげのない戦闘で瞬殺していった。
俺達が居た湖から、森の外に出る安全ルートは一日程だった。
最初の数日掛かったあれは何だったのか・・・。
そして、森を出た所で砦を出して一泊する。
翌日は、そこから馬車に乗り込み町へと移動を開始した。
一応、ゴーレム馬車とは言え、ゴーレムの馬が付いている。なので、俺が御者台へと上り恰好だけの御者をやっている。
ただ、やはり珍しいのか街道に出ると奇異の目で見られてしまう。
が、そんなの関係ねー!
俺達は、一路リメリアへと向けて馬車を走らせた。
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