第33話 拠点確保!
受付のメイリーさんが話した内容は、
①冒険者はランクがある。初めて登録したらランクGからのスタート。大体依頼を10個程受ければFに上がれるそうだ。
②ランクはGが一番下で一番上はSS。
③ランクGとFは、30日以上依頼を受けないと冒険者資格が剥奪される。E以上になると、一年に伸びる。
④依頼を受けて期日通りに終わらなかったりすると、依頼失敗となり違反金が発生する。
⑤依頼失敗が立て続けに続くと、ランク降格や資格剥奪となる事もある。
⑥ギルドは、冒険者同士のイザコザには不干渉。
以上だ。
「6名の方は、初回ですので登録料お一人銀貨一枚になります。エヴァさんは、違反金が銀貨20枚、再登録費が銀貨5枚となります。」
別に支払ってもいいのだが、ちょっと理不尽に思った俺は受付の人へと聞いてみる。
「一つ聞きたいんだけど、エヴァは盗賊に捕らえられていたんだ。その盗賊を俺が倒し、そしてエヴァを解放した。それが大体93日くらい前だ。それでも依頼失敗の上で再登録になるのか?」
俺がそう言うと、メイリーさんは少し驚く。
「盗賊ですか?場所はどちらの?」
「魔窟の森の中の湖から2時間ばかり行った所の崖の洞穴だな。ちなみに、後のイシュカも捕まっていた。」
「証拠はありますか?多分、その盗賊は討伐依頼が出てましたが、該当の場所近辺に行っても盗賊は見つからず取り下げになってます。盗賊の頭の名は?」
「バックスとか言ってたかな?髭モジャモジャの熊みたいなやつ。確か、剣持ってたな。」
「・・・盗賊の人数は?」
「確実には覚えてないが、20人くらいは居たと思うが?」
「少しお待ち下さい。」
メイリーさんは、そう言うと階段を駆け上がって行く。
そして、5分くらい後に戻って来ると「こちらにお願いします。」と言い二階へと案内される。
通されたのは会議室で、そこには一人の男性が座っていた。
「良く来てくれたね。私は、リメリア支部ギルドマスターのリキャルドだ。まあ、掛けたまえ。」
アチャー。これは、あれなやつだ。
「さて、メイリー君から聞いたが、君たちは剛剣のバックスを倒したんだって?」
剛剣のバックス?なにそれ、あの髭モジャモジャカッコ良くない?
「倒したか倒してないかで言うと、倒しましたが?」
「そうか。場所も名前も手下の数も合っているとなると本当の様だ。メイリー君、エヴァ君の違反金と再登録は費用無しで処理してくれ。」
「分かりました。」
メイリーさんはそう言うと、部屋を出て行く。
「バックス盗賊団はのバックスは、元冒険者でね。かなりの被害が出ていて懸賞金並びにギルドの依頼が出ていたんだよ。討伐に向かった冒険者も何人も返り討ちにあってるしね。そろそろ高ランクを呼ばないといけないかと思っていた所だったんだ。君達が討伐してくれた事に関しては有難いし、こちらも達成としてあげたいのだが、証拠が必要でね。バックスの使う長剣があった筈だが、それは持っては無いかね?」
ん?長剣?
いっぱいあり過ぎて、どれだかわからんぞ?
「えっと・・・色々あり過ぎて大量に持ってるし、どれがどれだか分からないので見て貰えますか?」
「なら、こちらで確認しよう。出して貰えるかね?」
いや、大量って言ったよね?
「いや、かなり大量にあるので。後、魔物の皮や角、牙なんかも売りたいんですけど?」
「それならば、倉庫に行こうか。あそこならかなり広いし問題無いだろう。」
と言う事で、俺達は全員でギルドの中を通り裏の倉庫へとやってきた。
「ここに出してくれるかね?」
そう言われたので、リズからマジックバッグを受け取ると今までガチャで出た剣やら槍やら鎧やらも含めて、売りたい物を全て出す。
出して無いのは、ワイバーンの皮、飛膜、爪や牙、ミスリル以上の武器や防具、宝石、宝飾品くらいか?後は、鋼系でも女子が護身用に持つ短剣や斧、槌など数本をずつ程度の良さそうなやつと矢は残している。
それ以外の鋼系以下は全て出した。
ちなみに、龍平も康太も不必要な物は全て出してマジックバッグに入れているのでかなりの量だ。
マジックバッグから出てくる大量の武器、防具、皮や角に牙。それを見たギルドマスター含むギルド職員は、目を見開き驚く。
「こ、これ全部かね?」
「ええ。これで全部です。」
ギルドマスターは、積み上げられた物を見て頭を抱える。
そりゃそうだ。剣だけでもウン十本もあるんだから。
三人分のガチャを舐めるなよ!?
そして、とりあえず剣の山の中を探り、該当の長剣を探し出した。
「これだな。」
それは、一見すると普通のロングソードらしいが、鞘から抜くと赤黒い色をしている。
「これは、剛腕が付与されたマジックウェポンなんだよ。これを持っているのが証拠だね。では、色々手続きや準備、査定もしないといけないから、明日の昼過ぎにギルドに来てくれるかな?」
「ええ、わかりました。」
「では、これらを預からせて貰うよ。」
ギルドマスターは少し満足げに頷くと、倉庫から出ようとする。
「ちょっと待って下さい。少し聞きたい事があるんですが?」
「ん?何かね?」
「この人数が泊まれる宿を探すのが大変ですから、家を探したいんです。何処に行けばいいか教えて貰えませんか?」
そう、流石に宿に16人も泊まると費用が莫大必要になるのだ。なら、家を買うか土地を買うかした方が安上がりなのだ。
「ああ、ならウチでもやってるし、商業ギルドでもやってるよ?ウチの場合は、冒険者の支援の為だからそこまでいい物件は無いけどね。」
「冒険者ギルドで、16人住める屋敷くらいの建物はありますか?」
「いや、そう言うのはないね。だから、商業ギルドに行く方がいいと思うよ?」
それならば!と言う事で、ギルドマスターに商業ギルドの場所を教えて貰い直ぐに移動する。と、言っても冒険者ギルドの斜め前なんだが。
「すみません!家と言うか、16人が住める屋敷か広い土地を探しているのですが。冒険者ギルドのギルドマスターがこちらに行くようにと言われて。」
「はい、いらっしゃいませ。16人が住める屋敷か広い土地ですね?少々お待ち下さい。」
そう言って受付の人が奥に入って行く。
暫くすると、分厚い羊皮紙の束を抱えて戻って来た。
「該当の物件は6件になります。ご予算はお幾らをお考えですか?」
「白金貨1枚までなら。」
3枚まで出せるが、今後を考えて少し安めに言ってみた。
「でしたら二軒該当があります。屋敷付きが一軒。ですが、こちらは少し治安が悪い場所の近くになります。土地だけなら、商業地区にありますが、50m四方の土地となります。白金貨2枚なら、貴族地区に近い場所に元商家が使っていた大きな屋敷があるのですが。」
治安が悪いのはダメだな。
「100m四方の土地は無いですか?」
「流石にその様な土地はありません。」
100m以上の土地はやっぱり無いか。
「では、その白金貨2枚の物件を見せて下さい。」
俺達は受付の人の案内で、該当の屋敷へと向かう。
ちなみに、ギルドから歩いて20分の所だった。
「こちらになります。中をご覧になりますか?」
そう言われ迷わず「はい」と答えた後に、鍵を開けて貰い中へと入る。
粗方確認したが、まあ普通だ。
レンガ造りで三階建て。部屋は全26部屋。
風呂は二つあり、トイレも各階にありマジックアイテムらしい。
キッチンもマジックコンロで水、お湯が出てオーブンもある。キッチンの隣には冷蔵庫と更に食糧庫があり、澤田が喜んでいた。
必要な家具類も備え付けてあり、直ぐに住む事が出来る。
「何でこんなに安いんですか?」
と俺が不思議に思い聞くと
「このクラスだと、こんなもんですよ?」
と言われた。
そうなんだ。
「この屋敷でお願いします。」
「はい。ありがとうございます。では、ギルドに戻り手続きを致しましょう。」
「今日から住めますか?」
「ええ。手続きが終われば大丈夫ですよ?」
「では、お金は一括で払いますので、仲間をここに置いて行ってもいいですか?」
「構いませんよ。」と快く言って貰えたので、俺とリズだけが商業ギルドへと戻る事に。
商業ギルドに戻ると、書類にサインをしたりして手続きを完了させ権利書と鍵を三本受け取る。
「鍵を無くすと、作り直すのに金貨1枚掛かりますから無くさないように気を付けて下さいね。」
と言われた。
「後、これの買取お願い出来ますか?」
俺はマジックバッグから宝石の入った袋を3つ取り出し、受付の人へと渡す。
「宝石ですね?商業ギルド登録をしていない方は、買取額が低くなりますが登録されますか?」
何!
それはイカン!
どうしよう・・・。
「俺じゃなくても大丈夫ですか?」
「ええ。誰か一人でも登録があれば大丈夫ですよ。」
「なら、買取金を受け取りに来る際に、先程の仲間に登録させます。まだ、ギルド登録してないのが何人か居ますので。」
澤田達内勤組に登録して貰えばいいよな?
「わかりました。では、明日の昼以降にお越しください。」
「わかりました。」
俺は受付の人にお礼を言うと、リズと共に屋敷へと戻る。
屋敷に戻ると、既に部屋割りが決まっていた。俺の部屋は、相変わらず決定権はなく二階の一番大きな書斎付きの部屋に決まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます