第30話 08時15分

 あのまま横になり多分寝ていたのだろう。俺は起き上がりあたりを見る。


 とりあえず朝は――わかる。まだ、俺は生きている?のだろうか。ちなみに、ホテルの部屋の電気は付いていた。というかどうやら消し忘れて寝たようだ。


 隣では、案内人。長瀬の姿のままだが。そいつが寝ている。そこそこ無防備に熟睡中……本当なんなんだよこいつ。気に入ったのか?この姿。ずっとこの姿だな。


 長瀬?の姿をあまり見ていてもなので、一度立ち上がり、水を飲む。その際に部屋の時計を見ると時間は、08時16分。結構普通に俺は寝ていたようだ。っか、死んでないのは、今理解した。そして身体に変化もなし。本当に死ぬのか?俺。と、思いつつ。ベットで寝ている。案内人を見る。まだ熟睡中だ。


「そういえば、寝なくても大丈夫とか言いながら、普通に寝てるな。こいつ」


 そんなことを思いつつ近寄ってみる――本当に、普通に寝ているみたい。突っついたらどんな反応をするだろうかと、思ったが。もしかしたら、こいつに殺されるかもしれないので、それはやめた。


 それからは、テレビをつけて音を消しニュースを見た。そしてまた偶然か。ちょうど天気予報のコーナーだった。


「……変わらずか」


 天気予報を見つつ俺はつぶやく。状況は昨日と同じだった。

 案内人は、一時的かもしれない。と言っていたが。今も、明日以降の天気が、俺には見えなかった。番組表やらも見て見たが、今日は23時59分までの番組が見えるが――明日以降は見えなかった。


「やっぱり死ぬのは本当なのだろうか?」


 俺は1人でつぶやき。どうせすることもなく。行くところもないので、もう一度寝ることにした。


 先ほどまで寝ていた、ベットに、もう一度横になる。自分の体温で、温まったところがまだあるので、そこはちょうどいい感じ。すると――すぐに、記憶がなくなった気がする。思ったより俺疲れていたのだろうか?


 ◆


 そんな朝の事から少し。俺の感覚ではまだ少し目を瞑っただけ――とかだったのだが。ふと、何かが、聞こえてきた。


「……朝ですよ」

「起きませんか?まだ生きてるんですよ?」

「ごはん食べれますよ?」


 何回か声をかけられて案内人の声と理解押して。目を開けることなく。


「――寝ます」


 俺は返事だけしておいた。


「あ、起きた」


 ってか、なんか声がえらい近くから聞こえるなと思い。目を開けると目の前に顔があった。


「…………無駄に近くない?」

「ドッキリ?」

「蹴とばすぞ?」

「ひどいですね。起きたらかわいい子が目の前に居たのに」


 案内人は、なぜか俺の横で。俺の寝ていたベットに、寝ながら話しかけてきていた。ホント、ちょっと蹴とばしたら下に落ちそうだ。


 それから俺は起き上がる。時計を見ると、30分くらいしか先ほどから経っていなかった。


「……確かに。まだ死ななかったか」

「まだみたいですよ」

「とりあえず……起きてやるから。着替えていいか?」

「あっ――ちょっと、待って……せ、洗面所空いてますから」

「……はいよ」


 それから俺は洗面所で着替えてから、再度部屋に。

 すると、早業なのか。案内人も着替え終えていた。昨日俺が買った服にな。その服気に入りすぎだろ。こいつ。

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