第5話 07時40分
大きなごみ袋に、パンパンになるくらい詰め込んだので、2つずつしか、ごみ袋を運べず、何度も何度も、家と、ゴミ捨て場を往復した。
ちなみに、お手伝いはなく。ただ1人に監視?されていた。なにも言ってこなかったが。
それより、あまり大きくないゴミ捨て場なのに、1人で、かなりいっぱいにしてしまったが。大丈夫――だろう。今日くらい。
「よし。終わり」
「……」
「なんだよ?さっきからずっと人の顔見て」
「本当に、躊躇なく全て捨てましたね。本当に思い出とかなかったんですか?」
「スマホだけ、まだ机にあるけどな。あ、カバン残ってるわ。財布と」
「……片付けたところで、あとはどうしますか?普段は、さっきも言いましたが、手紙書く人や、親しい人や家族に、会いに行く人。と、様々ですが。まあ、中には、死ぬのわかっていて、家族のところ行くと、家族の前で死ぬかもしれないと。手紙や死ぬまで動かない人もいましたが」
「たくさん、見てきたんだな」
「まあ、まだ私は少ない方ですよ?わたしたちみたいなのは、記憶というのか、見たものは、全て残り忘れることは、ありませんから。忘れたい記憶でも」
「じゃ、人間の……死ぬところとかもか?」
「まあ――――いろいろありましたよ」
「それは、聞いていいのか?」
「まあ、それに関しては、特に、禁止事項はありませんから」
「じゃ、最近は、どうやって死んだやつがいるんだ?」
「ストレートですね」
「聞いただけだろ」
「まあ、最近ですと、家族のところ行こうとしたら交通事故。私のことは信じず。普通に、生活してたら、倒れてそのまま。あ、その前の人は――私が死にますと、教えた日になったら……自殺しましたね。あれは、もしかしたら、私が殺したんじゃないかと、思う感じがしますが……あれですね。何度も見ていると、麻痺するというか」
「自殺ね、じゃ、なんだ。明日死ぬ言われてる俺が、今自殺したら今日死んだになるよな。それ、問題ないわけ?」
「いえ、多分死ねません。人は、死ぬ時が、決まっているみたいで。時間は、わかりませんが。前に、そのような方が、居ましたが、日付が変わるまで、病院のベッドの上で生きて、苦しんで、苦しんで、家族などが、駆けつけてましたが、最後……話すこともできず。とにかく、苦しむだけ、苦しんで、時間になったら、すぐ死んでました」
「――それは、それは、なかなかだな。おまえも大変だな。もし。だと、今からだと朝だし長すぎるな」
「……長いですね。あなたが、苦しむであろう時間が。できれば――やめてほしいですね。見てるしかないこっちの身にもなってもらいたいです。苦しんでるの見せられて、終わる時は、突然にですから」
「最短17時間後くらいか。俺が死ぬの」
「ですね。ホント、自殺はやめてくださいね?あの時間――本当に嫌なんで」
「まあ、どうせ明日には死ぬんだろ?ってか、それまで、めっちゃ暇じゃん」
「……暇って言った人も、初めてですよ」
「みんな忙しかったんだな。見ての通り俺は暇だが」
「みたいですね。あなたがなんとなくわかってきました」
「おまえも、暇だろどっか行ってきていいぞ」
「一応、先程も言った気がしますが。そばにいる必要があるので、先程みたいに、ドア1枚向こうとか。あなたが、居るとわかる距離内に、いる必要があるので」
「マジ大変だな、自由あるのか?おまえに」
「大変ですよ。でも、こんなに、動かないとは、思いませんでした。あと、自由は、あなたがいなくなったあと、次が見つかるまでが、自由ですかね。だいたい、すぐに次の仕事来ますが」
「なるほど……ブラックだな。おまえのところ――辞めるとかできないのか?」
「辞めれるなら辞めたいんですけどね……何故か、出来ないみたいで」
「――――そうか。大変だな。そっちも」
「まるで、捕まっているみたいな感じですね……って、私は何を話しているのか」
「勝手に、語ってくれた」
「あ、あなたが聞きましたよね!?」
時間を見る。7時40分。学校行くなら、もう家を出る時間。まあ、今日は行かないが。あ、違うな。もう――――行かない。か。
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