第4話 06時41分
「こんなもんか」
あれから1時間ほとが、部屋のものをゴミ袋に詰め込んだ。
スマホを見ると、6時41分と。予想通り1時間くらいだった。
今住んでいるのは、親が借りているアパート。理由、高校に通うため。実家からは、遠かったから。部屋は、そんなに、広くはないので、元からものは置いてない。それでも、家の中に、あった物を全部捨てるとなると。家にあったゴミ袋の約9割使用した。
可燃ゴミの日が、今日だから、ちょうど捨てれると。全部袋に入れたが――分別大丈夫だろうか?結構気にせず。ポンポン袋に入れて行ったが……って、明日には、居ない人間だし。最期くらい、大目に見てくれるだろ。いらないもの残して、死ぬよりいいだろう。
孤独死言うんだっけか。なんか、少し前にニュース?かなんかでたまたま見た気がするが。俺も1人だし。もし、ここで、死んだら見つかるまでに、しばらくかかるかも。とか考えると、なるべくきれいに。空っぽにしておこうと思った。
ざっと見、部屋は綺麗に、いや、元から綺麗な方だったと思うが。高校の物くらいしか、置いてなかったし。あっ、ノート類名前書いてあったかな?まあ、大丈夫か、全部、破って捨てたし。
――そういえば、部屋の隅っこで、立たされている女性。
いや、女性言っているが。女の子の方がいいかな。と、とりあえず女の子がいる。別に、立ってろとかは言ってない。俺が、掃除はじめたら、自然とあの場所に移動していった。
「まだ、居たんだな」
「……あなたが死ぬまで、そばにいる必要があるので」
「そりゃ大変だな」
「……それよりあなた、思い出とかそういうのないの?さっきから、ずっと、順番に、部屋にあるものゴミ袋に入れて、縛る。入れて、縛る。じゃない」
「いや、明日死ぬんだろ?今更、嘘でしたー。とかやめろよ?高校の物も、気持ちよく破ったんだから」
「いや……死ぬのはホントですよ。残念ですが――でも、あなたみたいな人。初めてみました」
「そうなのか?死ぬなら、なにも残さない方がいいだろ?」
「いや、その……生きた証を残すっていう人は、何人か、あとの人は何かする前に、死んでしまうが、多いのですが。会って1時間ほどで、物捨て出して、ゴミ袋の山は、初めてですし。躊躇なく全て、捨てましたから。あなた」
「そんなもんか。まあ、俺も、机やらは、このアパートに、はじめからあったから残すが……」
「違ったら捨てるつもりだったんですか?」
「まあ、いらないし。居なくなったあと邪魔だろ?」
「……そうですか」
「あ、そうそう流石に、スマホは、ゴミ袋に、はまずいだろうから。机に置いとくか」
「……ですね」
布団にほってあったスマホを、机の上に置いた。あっ、そういえば、起きてからそのまま掃除していたから、部屋着のままだった。
「なあ。案内人さん?」
「はい?」
「着替えていいか?」
「――なっ!?ちょ、わたし女の子ですよ?何をいきなり、って、言ってるそばから!今出ますから。脱ぎ出さないで!待って!」
脱ぎながら話したら、なんかバタバタドアの向こうに。恥ずかしがるものなんだろうか?なんか、さっきまでの、本当かわからない話から、いろいろな、人と、居たみたいな感じだったが。着替えやらやら、なかったんかね?
そういえば、ちゃんと物は触れるのか。っか、今思うと、あの反応――若い言いながら、やっぱり中身は、おばちゃんやらやら、の可能性を思っていたが。中は、本当に若い?のだろうか。実は、同級生……いや、年下とか――?なのだろうか。まあ、どうでもいいか。
着替えてから。部屋着含めその他の衣類も、あまりのゴミ袋に入れた。これは……可燃ゴミで――違うだろうが。何回でも言うが、最期くらい大目にみろよ。
「おい、着替えたぞ」
「……ふー、いきなり脱ぐ人いますか?女の子の前で」
「いるだろ。ここに」
「……ですね。って、また、ゴミ袋増えてる」
「服もいらないだろ。もう」
「ほんと……なんというか。割り切っているのか。気持ちいいくらい早い判断ですね。この部屋まるで、今引っ越してきたみたいなほど、もうなにもありませんし」
「あー。あと、冷蔵庫と、風呂場のボトルやらがあるか。袋押し込んだら入るな」
「……」
さらに、片付けた。
冷蔵庫は、自炊をしていたが、必要な分を、必要な時に買う。という感じだったので。あまり入っていないので、すぐ終わった。風呂場のボトルやらも、中身は流して、袋にほりこんだ。
「……」
「なんだ?ストーカーかよ。監視みたいに付いてきて」
「いえ、なにかあなたが捨てるのに躊躇するものはないのかと
「ないな」
「……そうですか」
「よし、そろそろ、袋の山だし。前のゴミ捨て場に運ぶか」
俺は、室内の、山のごみ袋を減らすために、玄関へと移動した。
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