明日最期を迎える俺と案内人。そして――

間違ってなかった選択

　緑に囲まれ空気の綺麗な場所。夜は星がめっちゃ綺麗な場所。なのだが――時たまモンスターが出る。というここは異世界。

　いきなりそんなことを言うと『お前何を言っているんだ？』と、みんないうだろう。あっ、俺にみんなはいないか。昔から俺は――。

　とりあえず、今の俺は異世界。正確に言うと死後の世界に居る――と、思われる。

　いや、数十年住んでいるが、未だにちゃんとしたことはわかってなくてな。だから思われるだ。

　ちなみに『チートだろ』とか言われるかもしれないが。俺死なないんだってよ。あと一部制限はあるけど、自由にものを作れるんだよ。例えばドーナツ食いたいな。とか思ったら。ドーナツがポンと出てくるわけ。便利だろ？異世界って。もう慣れたらやりたい放題だよ。

　でもまあここまではいろいろあってな。ちょっと死後の世界に片足突っ込んで、ミッションクリアしたら生き返らせてやるとか言われたんだけどさ。

　あの時の俺の選択は間違ってなかったようだ。

　生きるより――死ぬを選んだ俺の選択は――間違ってなかった。

　今ではそう言い切れる。間違ってなかった。俺は死を選んで正解だった。