第16話 18時29分
俺が、昔のことを一人で思い出していたからか。しばらくの間無言で歩いていたことに、気がついて、ふと、後ろを見たら。案内人さん。見た目長瀬。は、ちゃんと付いてきていた。
「どうしました?何か考えていたみたいですから。そっとしておいたのですが……あっ。いい、デートコース浮かびました?にしても、良く考え事しながら、電柱や、人にぶつからず歩けますね。」
「……いや。前は、見てたし。とくに行き先。っか――腹減らない?」
「あっ、確かに、さっきファミレス行ったのに、スイーツと、飲み物で、お昼食べてませんね」
「誰かさんが、話したり、変身したりと。忙しかったからな」
「誰のために、変身したんでしたっけ?」
「俺は、頼んでないぞ」
「えー」
「とりあえず、どこか入るか。また、ファミレスか」
「じゃ、他のところ行きましょう。どうせ考え事しながら、適当に、歩いて来ましたよね?」
「わかってきたな。俺が」
「わかりたくないですね」
「ひどっ」
「まあ、じゃ、お洒落なカフェとか」
「――――自由にしてくれ」
「じゃ、高級レストラン」
「無理。無理だから。っか、そんなところ行っても落ち着かないだろうが」
「わかってますよ。じゃ、あの辺りにあるパスタ屋行きましょう」
「パスタね」
「今、食べたい気分です」
ゲーセンのあと、結構ぶらぶら歩いていたみたいだが。ちょうどいいところに、お店がいくつかあった。そして、案内人さんの希望により。パスタ屋に、小さい店だったが。入ってみると、いい雰囲気だった。
「何、食べようかなー。結構いろいろありますね」
「……」
「なんですか?顔ばかりみて。そんなに、かわいいですか?」
「違う、楽しんでるな。と、俺なんかといて」
「楽しいですよ?」
「――そうか」
「主に振り回すのが楽しいです」
「こいつ……」
「あ、これ、食べたいです」
「――――お好きに。どうせ、おまえ、金持ってないからな」
「はーい。じゃ、これと」
「と?……マジでよく食うな」
「いいんです。でも、こんな時間に、並ばずに、入れたのラッキーですね」
「確かにな」
店の時間は、18時29分を指していた。が、数組いるだけで、すんなり入れた。あまり知られてない?お店なのだろうか。などと考えつつ。俺も最後の飯かもしれないと。思ったら良いやつ食べたくなり。伊勢エビやら書いてあるのにした。正面のやつは、ウニやら言ってた気がするが――まあ、いい。
しばらく待っていると、それぞれの注文した料理が出てきた。見た目からして、リッチな感じだった。そして、値段はするが、やはり、美味かった。っか、美味すぎた。失礼かもしれないが。こんな小さなお店で、こんな美味いもの出してるのか。と。実は有名なお店?俺は、全くわからないが……。
「とっても、美味しかったですね」
「……確かに、かなり美味かった」
「あれ?寂しくなりましたか?もう食べれないかも、とか」
「いや、おまえ見てたら、小さいのに、よく食うなって関心してた。大きくなるぞ、おまえ」
「なっ、太ってる。と、言いたいんですか?って、わたしの姿あなたの初恋の人のままですけど、可哀想な事言いますね。初恋の人に対して」
「中身が丸くなる言っただけだ」
「あっさり言ったー、酷い。もう。泣きますよ?こっちの世界でも、太るんですから」
「まあ、あれだけ食えばな」
「歩きますよ!」
「は?」
「食後の運動です。お会計してきてください」
「はい?まだいいだろ。食い終わったばかりだろ」
「行きますよ!」
「――――はい」
案内人に振り回される俺。なんで、こうなってるんだっけ?ほんと。っか、ちょっと怒っていらっしゃる?いや、怒ってるか。でも、パクパク食べる子良いと思うんだが……でも、追加でこれを言ったら、さらに、怒りそうなので、やめておいた。
すると、よく食べ怒った?案内人は、立ち上がろうとして、それと同時に、カラン。と。音がした
立ち上がった際に、手が当たったか、机の隅にあった、グラスが倒れた。中身は、氷と、少しだが飲み物が残っていたので――。
「きゃ」
「はぁ。慌てて立ち上がるから」
「――――濡れました」
案内人さん、自分の着ていた服に、飲み物こぼしましたとさ。
「あー……恥ずかしい」
「乱暴に、立ち上がるから」
「誰のせいですか。もう。あー……冷たいです」
「そりゃ、濡れたらな」
お湯じゃなかっただけマシか。
とりあえずおしぼりで拭いている案内人。大量にではないので、お店の床には、こぼれなかった。というか。上手に、案内人の服が、すべての水分を、吸い込んだ感じだった。
こういう時こそ、一瞬で、着替えできるんじゃないかと。と、思ったが、案内人。それをする感じはなかった。何故?
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