第25話 03時20分

 放課後になり、すぐに、図書室に来たので女子生徒を待たせるということは、ないはず。

 図書室に着いたときに、時間を見たら。15時20分。放課後になってすぐ来た。そして、図書室で俺は待った。


 その日の図書室は、図書の先生が受付をしていた。あの女子生徒は、図書委員の仕事の日ではない様子なので、もう少ししたら、来るかもしれない。と思い。待った。


 ――しかし、今チャイムが鳴っている。もう下校時間。図書の先生が、カーテンを閉めたりと、片づけを始めていた。このまま居ても、図書の先生の迷惑になるので、俺は図書室から出た。


 その日、女子生徒と、会うことはなかった。


 朝のワクワクは、何処へやら。いつも、図書室で1人本読んでいるから、からかわれたのか。とも思ったが。昨日の雰囲気。そして、数回だが、今まで、話した中には、そんな感じは無かった。と、思う。思うのだが……。


 俺はあの女子生徒の、連絡先も知らない。というか。そもそも、考えてみると、いつも少し話す程度の関係。名前も学年クラスも知らなかった。同じクラスではない。ということくらいしか、今わかることはない。俺に、女子生徒のことを確認する方法がなかった。


 やっぱり、ちょっと期待というのか。話がうまくいきすぎていたのか。俺みたいな人間が、そんな都合よく。人と仲良くなるということは……ないみたいだ。


 もしかしたら、この数日。数週間か。あの女子生徒と、少し話しただけで、俺は、何か。変なことを思ってしまっていたみたいだ。俺みたいな奴でも、話し相手、話しかけてくれる人がいるとか。


 …………一度落ち着こう。

 いつものように、ゆっくり。1人で、朝登校してきた道を帰ったのだった。

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