第11話 13時34分
先ほど、中学校に着いてから、なんか静か。理由はお隣にいる――――案内人さん?が、固まっている。と、いうか――固まっている。
「……」
「どうした?ぼーっと、中学校見て。歩きばかりで疲れたか?」
「あ、いえ。その――なんでもないですよ。ちょっと懐かしくて」
なぜか、中学が見えてから、ハッとしたのか。びっくり?したのか。不思議な表情してるな。とは、思っていたんだが。着いたら、となりで、固まっていた。が、俺が話しかけると、元に戻った。
気にするな。という方が無理なので「おまえ、中学は経験あるのか?」と、聞いてみると。
「ええ、中学はありますね」
「つまり、おまえは中学で、死んだのか」
「……まあ、そうなりますね。高校知らなくて、中学は知ってますから」
「……急にだったのか?」
「ええ、まあ、結構」
「あれか、おまえも、今の俺みたいに、案内人とかいうのいたのか?」
「それがですね――――居なかったと思うんですよね。私の時は」
「え?なんかおかしくね?」
「もしかしたら、私は、ちゃんとした寿命。だったんですかね?あれが。で、死んだのに、こうして、何回も、こちらと、向こうを行き来しています。本当は、天国か地獄か。とか選ぶ。選ばれるのかなー。とか、ちょっと思ったんですが。そういうの、全くありませんでした」
「まあ……俺にはわからんが。そうか、俺は、急だから、おまえが来ただったか」
「はい。私は、普通に、学校行って、授業受けて、みんなと話したりして、夕方には、家に帰る。の生活していたら。翌日は、そのサイクルが来なかった。みたいな感じですから」
「……めっちゃ急だな。それ」
「そうなんですよ。生きてる時の記憶も――ありますが。今の私みたいな人は、出てきてないんですよね。だから死ぬとか思ってもいませんでした」
「……あっちの人適当じゃね?」
「かもしれませんし。実は――――あなたの寿命は正しいけど。なにか理由があって、あっちの人たちが遊びとか、言いながら。私経由で、あなたに、寿命を教えて、その人の心残りをなくしてあげよう。みたいな人なんですかね?わたしには、そんな感じには思えませんが。あ、上の人とか言ってますが。会ったことはないですからね。いつも、指令みたいな感じだけですから」
「まあ、俺には理解できない世界ということはわかるが……」
「ちなみに――あなた本当に、心残りにありません?私の仮説がもしかしたら。ということもありますからね」
「ない」
「即答ですね」
「ないものはない」
あっちの人の事は、全くわからない。なんで俺は、死ぬのがわかり。案内人とやらがいるのか――まあ、考えてもわからない。ちょっと、考えてみたが、やっぱりわからない。
すると、ちょっと、俺が考えて会話が切れたからか、隣からこんな声が聞こえてきた。
「……みんな元気かなー」
「――会いには、行けないのか?」
「ええ、どこの誰のところ行くかわかりませんし。普通は、バタバタして時間ないんですよ?それに、私の姿は偽ですから、見てもわかりませんよ?」
「バタバタ……ね。悪かったな暇人で」
「まあ、だから今みたいに昔のことを思い出す時間とかあるのでわたし的には、嬉しいですが」
「そんなもんか」
「はい、懐かしい感じですね。あなたは、ないのですか?ホントに」
「何度聞かれてもないな。もし、おまえが俺のなんかあるかもしれないことで、こっち来たなら、無駄な手間かけたな。だな」
そんなやりとりしていたら、休み時間になったのだろうか。体操服の学生が何人か校舎から出てきた。あれは――次体育の時間とかだろうか。
「移動するか。不審者になる」
「離れてますから、大丈夫と思いますよ?」
「でも、移動する」
「じゃ、付いていきます。不審者さん」
「おまえな」
「なんですか?」
「――――なんでもない」
中学校も見た。見るつもり。行くつもりは、なかったが。小学校、中学校、高校を見た。もう行くところは、無いだろう。あっ、家か。まあ……留守だろうし。いいか。
13時34分中学校出発。また、¥しばらく歩く。もちろん後ろには、案内人が付いてきている。どこに行くかは言ってないが――普通に付いてくる。っか、決めてもなく。ただ歩いているだけだが。
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