第40話 18時05分

 長瀬に引っ張られながらしばらく歩いていると。っか、この2日間何十キロ。俺歩いているんだろうか。誰か万歩計持ってないか?って、何を俺は言っているのか。とりあえずおかしなこと言うくらいには歩いているということだ。

 

 すると、目の前に昨日の朝に食べたドーナツ屋の別支店というのか。まあ、ドーナツ屋が見えてきた。

 そういえば――腹減ったな。


「……買いますか?」


 すると、長瀬が聞いてきた。どうやら、俺は何も言わなかったが、何かを察した様子。まあ、腹減ったし。食いたい。


「せっかく、生きてるから、最後の晩餐にするか」

「――――ホント、ドーナツ好きですね」


 若干引き気味か?でも問題ない。だって――。


「長瀬もだろ。下駄箱で、ぶつぶつ言うレベルで」

「ぎゃあ!」


 ちょ、近所迷惑だから。急に叫ぶなよ。


「こんなところで騒ぐなよ」

「そんな過去、思い出さなくていいです!」

「ホント、長瀬なんだな……」

「確かめないでください」

「はいよ」


 やっぱり、本物でいい様子。昔の出来事にも、ここまで反応するのだから。


 それから、お店に入る。初めて入る店で、店内は知っているところとは違うが。並んでいる商品は同じだ。

 レジに付いていた時計は、18時05分と、表示されている。まあ、時間的には、店内で、ドーナツ以外のサイドメニュー?というのか。そういう物を、食べるのもありな時間かと思ったので、長瀬に聞いてみると……。


「どうする?食べてくか?俺の金使いまくるお方よ?」

「――――持ち帰りましょう」

 

 持ち帰り希望をされてしまった。


「どうしてだ?」

「こんな他に、人がいる空間で、質問されたら、私、大騒ぎしますから」

「……質問しなかったらいいんだろ?」

「――忍海君はやらかしそうなので――持ち帰りで、外の人のいないところ行きましょう」


 俺――信頼度なしかな?でもまあここは大人しくか。騒がれてもだからな。


「……まあ、いいが」


 2人で、欲しいものを、欲しいだけ買った。

 そして、持ち帰りにしてもらい。店の外に出た。

 っか、どこに向かっているんだろうか――?

 それから、ドーナツを持って、またしばらく引っ張られていくと、なんか丘というか――これは山というのか。住宅地とかではない場所に、来ていた。

 目の前には、鳥居があって、その奥には、200段くらいあるのではないかという階段――階段だな。マジか。


「神社?」

「はい、ここなら、夜は、そうは、誰も来ないでしょうから」

「――なんで、そんなこと知っている?」

「1人に、なりたい時のために、いろいろ調べてあったので」

「範囲広いな」

「……人に見られたくないじゃないですか。知っている人には」

「そんなもんか――っか、上るのか?」

「もちろん」


 ということで、暗くなりだした中。2人で階段を上る。ここで足踏み外したら、間違いなく俺死ぬな。と、思いつつ。上っていくが――頂上には、無事に着いた。結構、疲れたがな。

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