第13話 15時32分

 それから、なんか。取り調べ続き。


「よし。わかりました」


 案内人の人が言ったと、思ったら――。

 俺が、瞬きしたくらいじゃないだろうか。急に、目の前に座っていた案内人が、別人になっていた。

 おまえ、場所選べよ。と、言いたかったが、そんな言う暇もなく。突然変わった案内人の姿を見ているしかなかった。


 だって、先ほどまでの取り調べて、俺が話していた。人物の姿になっているのだから――。


「……おまえ――すごいわ。よく、今の話で――なんていうか。ここまで、似せれるな」

「いえ、あなた、なかなか。はっきり。はっきりいろいろと、言ってくれましたから。似せれたんです。本来は、見過ぎ、キモい。と、叩きまくってるかもしれません。だから言います。ちょっと、キモい」

「なんか、俺へのあたりがキツくならなかったか――?かなり」

「気のせいですよ」

「にしても……似てるな。中学の頃の――」

「一目惚れだったんですねー。ニヤニヤー」

「ニヤニヤいうな」

「ニヤニヤー」

「おい。目立つから」


 今、目の前にいるやつ。案内人やらは、俺なんかの、初恋が気になったとかで、それが、未練とか言い出し。あの時。中学の時に、唯一気になった長瀬ながせという人物の、姿が変わっていた。久しぶりに見たが……ちょっと、いろいろあったから。良い思い出と、良くない思い出両方が今、出てきていた。


 っか、それもあるが。もう一つ驚いたことは、この案内人の再現力。俺は、やんわり言ったはずが。かなり俺の頭の中の記憶と似ていた。こんな細かいとこまで、俺言ったかなぁ。と。自分でも、過去の記憶が怖い。そんなに、覚えていたのかと。


 ちなみに――。


「あいつ、胸は、なかったな」


 と、言ってから、なんかこいつ。俺へのあたりが、キツくなった気がする。大変――キツクナッタキガスルヨ……

 っか、一瞬殺気もあったような――あったな。


 女の子は、みんな気にするんですかね。俺は、無くても、別に問題ないと思うんだが。


 あと、ファミレスに居たが、一瞬の変化と。俺たちのまわりの周り席には、人がいなかったからか。誰も俺の正面のやつが変わったことに、気がついていないみたいだった。定員さんは――頭抱えてた気がするが。人変わった?いや、変わってない?と。そんな顔してたような。あと、中学の時の姿だから……なんか。大丈夫かな?まあ、ぱっと見は、高校生とかに――見えるか。私服だから、大丈夫か。大人っぽい感じだし。


「まあ、じゃ。準備出来ましたし。行きましょうか」

「はい?どこへ」

「あなたの初恋の人と、デートさせてあげます」

「いや――っか、なんか声も似てるような――?」

「……さすがに声は、変えれませんよ?」

「だよな、気のせいか」

「ですよ。声なんて、聞いてないと、わかりませんよ?じゃ、まずは、支払いお願いします」

「……だよな。っか、おまえ、いつの間にか、ちゃっかりデザートやら、食ってるし」

「はい。デートですから。なかなか美味しかったです」

「決まる前から、食ってたよな――確か」

「気にしない、気にしない。えっと、今は……15時32分ですから、短くても、9時間は、デート楽しめますよ?」

「――」


 なんか、わからないままに、ファミレスの会計のち、移動することに。

 完全に店員さんがパニックみたいな。こんな人いた?連れてた?みたいな目していたような……忘れよう。


 にしても、これ――目立たないかね。それなりの、美少女さんと、街中を、歩いている形なんだが……。

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