第19話 21時26分
それから、俺は、なぜか拘束された。とでもいうのか。美容院の方と、案内人に――いろいろされました。
お店は、ちょうど人がいなかったらしく。すぐに、椅子に案内されて、俺に、質問が来るのではなくて。
案内人と美容師の人が話している。そして、何故か俺のカットが始まるという。美容室なんか来たことないので、わけわからない。どうなるんだよこれ。とか思っていたが。一通り2人のお話。もちろん、案内人と美容師さん。それが終わると。
「シャンプーの方しますねー」
美容師の方に言われ。俺、連れていかれる。
「いってらっしゃい」
そんなことを言いながら軽く手を振る案内人は、入り口近くのソファーに座った。うん?俺…………何しに来た?ここに?と、思っている間に、シャンプーがはじまり――。
「あ、これ、めっちゃ気持ちいい」
俺、リラックス。めっちゃリラックスタイムとなっていた。あれ?これでいいのか?
そのあと、席に案内され。カットが始まったが。俺の希望などなく。案内人の希望?で、切られているのだが……ありなのか?いいのか?にしても、プロだ――早い。鏡に映る作業。すべての動作が早い。鏡に映る美容師さんの手を見ていたが……マジで早い。さらに、ちょっと後ろから、もう1つ視線があると思ったら、案内人も「うんうん」とかうなずきながら、こちらを見ていた。
俺、どうなるんだ?と、再度思っていたら。
「はい、一度流しますねー」
また、シャンプー?流し?があってから。もう一度、先ほどの席に戻ると、今度は、ドライヤー。家で使っていたものよりパワーの桁が違う。あっという間に、髪が乾く。いや、髪の量が減ったから早い?
乾かしてもらった後は、もう一度、カットが少しあったと思ったら。
「はい、お疲れさまでしたー」
終わった。嘘。1時間かからなかったような……?って、何だったのか。
「おー、いい感じになりましたね」
「……俺はなにがあったんだ」
「やっぱり、ちゃんとしたら、かっこいいじゃないですか。思いつきでしたが、連れてきてよかったです」
「――ちなみに俺の意志は」
「まあまあ、かっこよくなったんだから。あ、ありがとうございます」
案内人店員さんと話している。それと同時に会計。また、いい金額使った。
会計前にレジ横にあった時計を見ると、21時26分。やっぱり早かった。早業というか。プロってすごい。いや、ホントすごい。俺も再度鏡で見たが――さっぱりしたというか。なんというか。
ちょっと自分にびっくり。みたいな感じだった。あと、シャンプーが大変気持ちよかったです。ちょっと、もう少し早く知りたかったかな。と、思ってしまったのだった。
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