概要
急に一人になったセオドアは重責のあまり部屋に引きこもり、見えてはいけない者も見えるようになってしまった…と、思っていた……のだが。
その見えてはいけない少女は言った。
自分は幽霊で、密偵だと。
この世界は領主には幽霊が見えるという秘密があり、各領につき一人幽霊が力を貸している。とも。
セオドアは、隣領に取り込まれそうになっているユユラングの領主になる選択を迫られる。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!幽霊、とは
当事者になって、初めて知ることが沢山あります。
幽霊の存在もその一つ。
それは世間一般のような恐怖の対象なのか、一人ぼっちになった主人公の話し相手なのか。
当たり前の毎日が当たり前ではなくなった時、自分の生き方を自分で決めなくてはならなくなった時。
自分の部屋だけで暮らしていた生活から、外に出ることを余儀なくされる時。
必死の思考と決断の先に見える未来は、果たして皆が望む未来なのか。
そして、どうして家族が死ななければならなかったのか。
それらをぜひ、読み手はご自身の目で確かめて欲しいと思います。
※領地をめぐる家同士の駆け引きが苦手な方でもさっくり読めます。読めました。…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その領地を守護するのは、可憐な小さな幽霊。その姿、領主にしか見えないが
領主として領民から信頼を得る立派な父と、後継者として育てられた兄がいたため、主人公は、自由気ままに、自領での暮らしを、本を読むことで謳歌していた。
そこに、納税のために王都に向かった、父と兄が乗る船が難破した……との悲報が、主人公の元に届けられる。
悲嘆に暮れる主人公にのしかかるのは、急ぎ領主の代行。兄任せにしていた領主の後継。そして、完遂していない納税。
それらの重圧に負け、一度は、領外への逃亡を画策する主人公だったが……。
領主としての責任と、領民を護るという義務に、震える膝を無理やり押さえて立ち上がる、その主人公の姿は凛々しいけれど、些か頼りない。
その志を認めて、父…続きを読む - ★★ Very Good!!正当派シリアスファンタジー、サスペンス要素入り!
まず、読みやすくて面白い!
この世界、領主には必ず領地運営を補佐する「幽霊」と言う守護者が存在ます。
そんな世界で、突然、父と兄を失い、領主となる事になってしまった貴族の次男セオドア君。
しかも、父と兄が亡くなったのは「国へ税金を治めに向かう途中の海の上」!
つまり、納めるはずだった「税金」も、海の藻屑と消えました。
このままでは「税金を納めていない領」として、取りつぶされてしまう可能性が!
当初は、その運命を受け入れられず逃げ出しますが、とあることをきっかけに領主としてやる気に。
守護幽霊であるリリアの力を借り、領地の運営、そして「再度きちんと税金を納める為」に東奔西走。
特産…続きを読む