(全話キャッチコピー&リンク集)

全50話となったこの連載、各話のタイトルだけでは内容が分かりにくくなってしまいました。

そこで最後に、各話のキャッチコピー、紹介文とリンクをまとめたものを載せておきます。


・全体あらすじ

戦争アトミックにより、世界の大部分が破壊されて約半世紀。巨大企業群によって再建された世界で、人々はそれぞれの人生を生き抜こうとしていた。世界の中心である唯一の巨大都市・シティや、その周囲に生まれた郡部諸街区カウンティと呼ばれる無数の小さな街区で――。

超々高層ビルの二百十四階、簡易軌道の走る小さな町、取り壊されようとする商店街、暴風雨が一年中続く荒野。さまざまな場所に生きる人々の姿を描く、全50話のショートストーリー。


・各話キャッチコピー&リンク集


#1「過去への帰郷」


男は、大都会へと帰る。幼き頃の幸せな日々を確かめるために

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054890611756


 戦争アトミック後の世界における唯一最大の都市・シティの地下から、亡き母の形見が発掘されたという報せを受けて、ジャンは半世紀ぶりに大都会へ帰る



#2「指し示す機体」


迷宮のような町に一人取り残された少年を導いたものとは――。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054890729396


 美しい女性たちが仮装して練り歩く迎春祭カルナバルの日。彼女たちを夢中で追ううちに、少年は迷宮のような町に取り残される。その彼を導いたものとは――。



#3「プロペラ奇譚」


ジャンク屋で見つけた、巨大なプロペラ。実はきわめて貴重な歴史の遺産だった。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054890784823


立ち寄ったジャンク屋で、ギンは飛行艇の巨大なプロペラが売られているのを目にする。老店主が語ったその奇妙な来歴とは……。



#4「ネオン下のハッピー・エンド」


チエと母を襲った不幸を救ったのは、ネオンの輝きだった。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054890841917


運河に向かってずらりと並んだネオンの下で、人々が暮らす「ネオン下」の集落。母と二人でそこに暮らすチエを襲った不幸を救ったのも、そのネオンの輝きだった。



#5「モールスターの悲劇」


人気を誇ったモールス放送。時代の波が、その送信者から居場所を奪った。


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音声ラジオ放送に駆逐されつつある、モールス放送。かつての人気モールス送信者・ディラクは、新たな居場所を求めて、南方へ飛ぶが……。



#6「メトロポリス脱出」


息苦しい大都会に暮らすエミリー。しかし、外への出口は身近な所にあった。

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シティの中心部、息苦しいビル群の谷間に暮らすエミリー。今日も憂鬱な、満員の電動客車に乗って学校へと向かう。しかしその途中、ある異変が起こる。



#7「渦の下の二人」


住み家に迫る危険を覚った仔犬。二人は、嵐の中へと飛び出して行く。

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極地方に近い南方深部は、「極渦」と呼ばれる暴風雨に一年中覆われる。そんな過酷な状況にも、人々は耐えて暮らし続けていた。彼と、子犬の「ジョイ」も。



#8「機械の森の住人」


憧れの大都会、その繁栄を支える機械の森の魅力に、彼は強く惹かれていく。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054891790696


憧れ続けた大都会に就職先を見つけることができたヤゴウ。喜んでやって来た彼は、都市を支える富の源泉、大工業地帯の姿を目にして、強く惹かれていく。



#9「買取交渉」


心理交流干渉士にとっては簡単な交渉。ただ、その語呂合わせはどうなのか


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Σグレードの心理交流干渉士、ゼロ・コーネルは手を抜かない。例え小さな案件でも。しかしその語呂合わせは……どこをどう読めばそうなるのだ! 彼は叫ばずにはいられなかった。



#10「空へ続く階梯ラダー


リュージと一緒なら、彼女もたどり着けそうな気がした。この巨大都市の頂点へと。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054892032850


上流家庭の子弟ばかりが通うエリート校における異色の生徒、リュージ。この世界の成り立ちを鋭い目で見通す彼と一緒なら、彼女もたどり着けそうな気がした。大都会メトロポリスの頂点へと。



#11「冬の夜の来訪者」


豪華飛行艇の来訪に華やぐ小さな港町の夜、二つの人生が一瞬だけ交差する。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054892299155


小さな港町に、機関故障した大艇クリッパー級の旅客飛行艇が寄港することになった。富裕層ばかりの乗船客で、かつてなく華やいだ町の夜。灯台の下で彼は一人の女性と出会う。二つの人生が、一瞬だけ交差した。



#12「珊瑚湖の素敵な夏」


その夏、「珊瑚湖」が子供たちにくれたのは、素敵なプレゼントだった。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054892599290


白砂と明るいブルーの水面、北方一の美しさと讃えられる「珊瑚湖」のビーチ。湖畔の町に住む子供たちの夏の楽しみは、紅珊瑚を売って得たお小遣い。しかしその夏は、ちょっといつもとは違っていた。



#13「旅立つ春に」


「お兄様に頼ってばかりではいけないよ」その不用意な一言が別れを招いた。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054892865158


アリシャ、手塩にかけて育てた、思考処理系シンキング・プロセッサ。しかし、いつか彼女との別れが来ることは、彼にも分かっていた。それは、育成者としての宿命なのだ。



#14「通過列車」


のどかな支線に現れた異形の列車は、この世界の裏側からやって来たのか。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054893304784


老駅長と、猫たちがのどかに過ごす、小さな駅。一日に数本の列車が通過するだけのその駅に現れた臨時の貨物列車は、異様で禍々しい気配を運んで来た。



#15「棄てられた街の灯り」


旅する男が迷い込んだ、街の墓場。そこで彼は、あり得ないものを見る。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054893420021


 再開発のため、人工地盤ブロックごと廃棄された暫定市街地の墓場、タウン・グレーブ。誰も住むはずのない場所で、旅する男が出会ったのは。



#16「誕生日の惨劇」


惨事の底に沈んだ街と暮らし。カレスは婚約者の名を叫ぶ。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054893504838


 倒壊した超々高層ビルの下敷きになった街には、人々の普通の暮らしがあった。カレスの婚約者、ちょうど誕生日を迎えた彼女もまた、そこに暮らしていた。



#17「駆け降りる歌姫」


銀色の髪を夜空になびかせて彼女は駆け降りる。地上の街を目指して。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054893810897


 怪しげな劇場主の親父に出演依頼を受けて、辺境の街へとやってきた歌姫。駅を降りた彼女の目の前には、遥か下方の街へと続く、長い長い階段が続いていた。



#18「月からの声」


かつて月に暮らした人類は、地上へと届く悲しい声だけを残した。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054893945195


軽貨物飛行艇の機首を上げ、月に向かうように飛び、音声ラジオ受信機のスイッチを入れる。やがて聴こえてくる声に、シュバルトは涙を流した。


#19「街角の取り立て」


食べに食べたり、32個の絶品モンブラン。その代金を彼は回収できるか。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054894093633


今までに32個のモンブランを食べておきながら、未だに代金を支払ったことがないというその男。店主から依頼を受けて、私は取り立て交渉に挑む。



#20「さよなら、僕のデパートメント・ストア」


さよなら、僕の百貨店。いつの日かきっと、遠い町でまた会える。

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繁華街の大通りに出るたび見上げた、百貨店デパートメントの立派な建物。この町からは消えてしまったけれど、僕はまたきっと、あの輝かしい場所に出会うことができるだろう。遥かな町で。



#21「摩天楼に降る雪」


大都会での成功が、二人の仲を壊した。摩天楼に降る雪を、彼は独り見上げる

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大都会を支配する巨大企業。熾烈な競争を勝ち抜き、その一員となることに成功したハイディに、彼女は言う。「あなたは変わってしまった」と。



#22「追憶」


よみがえった「お兄さま」の記憶。アリシャは、過去を追いかけ始める。

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思考処理系シンキング・プロセッサ・アリシャの記憶領域には、大切な人の記憶が残されていた。「お兄さま」の行方を追う彼女。しかし、オートデバッガの決断はあくまで冷酷だった。



#23「パレード・ソング」


祭り唄を詠唱しながら行進する聖女たち。その後を追う男どもの運命とは

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迎春祭の仮装行列。美しく着飾った女性たちのパレードを、撮像函レフを持った男どもが追いかける。彼らを待ち受けるのは、天国か地獄か。



#24「流線型の遺産」


高度な技術を伝える遺産の発見者を、予想外の運命が襲う。

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戦争アトミック前の鉄道遺構を求めて、山中の廃集落を訪れたトリニータ。彼が発見したのは、かつての高度な技術を伝える「流線型の遺産」だった。



#25「疾走GT」


「これからも、頼むぜ相棒」。彼はペダルを踏みこんだ。

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思い切って誘ったメリー・アン。たとえ中古の三輪自走車でも、夏の日のドライブは輝かしい思い出。しかしビーチからの帰り道、暗雲が立ち込めた。



#26「ゲーム・センターの最後」


俺たちの居場所、ゲーム・センター。自由な空間だと信じた場所。

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若い労働者たちが夜な夜な集い、端末コンソール上で動く電子ゲームに興じる、その場所。しかし、その秩序を乱した者の存在が、全ての真実を明らかにした。



#27「総裁マクマラン」


鉄軌機構総裁、ド・マクマラン。苛烈さと、心優しさとを併せ持つ男。

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鉄道路線の建設が未だに進まない、上部地方。その視察に訪れた鉄軌機構総裁、ド・マクマランに、女性郡知事は環境の保護を訴える。総裁が出した、答えとは。



#28「夜間飛行」


遥か南方へ飛ぶ飛行艇。不安に眠れぬ幼い彼を、甘いアイスの夢が慰めた。

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父の赴任により、シティから遥か南方地方の町へと引っ越すことになった幼いジュネス。高ぶっていた気持ちも、飛行艇の窓から見える寂しい夜景に、心細さへと変わり始める



#29「消えゆく街のオート・コンビニ」


その小さなオート・コンビニは、消えゆく街に住む人々の最後の拠り所だった

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再開発により撤去され、超々高層ビル群に姿を変えることが決まっている、暫定市街地。しかし街を離れようとしない人々にとって、唯一営業を続けるそのオート・コンビニは最後の拠り所だった。



#30「カルメン・シータ」


男の人生を狂わせる、情熱の女。しかし現実は、歌劇ほどには面白くはないらしい。

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「カルメン・シータ」、みな彼女をそう呼んだ。昔の歌劇に出てくる多情な女と、そっくりだと言うのである。しかし、その激動の運命は、案外常識的なところに落ちついてしまう。そんなものらしい。



#31「与えられた眠り」


仕事の失敗は、自らの死を意味する。そんな殺し屋が、ようやく得た平穏。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054897060702


シティと世界にとって、有害な存在」だと、使者は常にそう言うだけだ。もし私の娘が生きていたなら、標的の少女と同じくらいの歳だったろう。プロとして、私は仕事に赴く。



#32「遠くのサーシャ」


溶けるように時は過ぎた。遠くの彼女との最後の夜、世界の滅亡を知りながら

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サーシャ=J3312。彼女が実在するのかどうか、私は知らない。私は知らない。確かなものは、シルバー・ボディの温もりだけだ。世界が消滅するのなら、彼女たちも架空の存在であったほうが良い。生命としての死を苦しまずに済む。



#33「探す女と観覧車」


母の形見、一枚のスケッチに残された生まれ故郷を、彼女は探し続ける

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小さな民家の群れに囲まれた観覧車。空へと昇り始めたゴンドラから見下ろす風景は、母の形見であるスケッチに残された生まれ故郷、彼女が探し続ける町とは全く違って見えた。



#34「はじめての配達」


ビル群が並ぶ都心へ、初めてのケーキの配達。こわごわと出発した彼女は……

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054897789658


注文のあったケーキの配達先は、シティの都心、高度集積地区にあるマンションだった。一人で足を踏み入れたことのない、超高層ビルの並ぶ大都会に、メイベルは決死の覚悟で配達に向かう。



#35「兄のクリスタル」


長年行方の知れなかった兄が帰ってきた。小さな、透き通った灰となって。

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メアリが幼い頃に、家を出て行った兄。行方を探し続けた父母も、今は世を去った。その兄が死んだという報せが、遠い南方深部地方からもたらされる。兄が目指したものを、彼女は今になって知る。



#36「贋金つかい」


君の失敗は致命的だった。お気に入りのカフェ、もう二度と来ることはない。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054898506708


一日の仕事を終えて、君はお気に入りのカフェで安らぎの時を過ごす。人もまばらな、深夜の街角を眺めながら。しかし、店に入って来た一人の男が、君の運命を変えた。



#37「ファンタスティック・ヴォヤージ」


愛機の故障で立ち寄った水上の町。思いがけない長い休暇が、彼を待っていた

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長距離輸送の途中、他島湾の上空で、彼の飛行艇はエンジン不調を起こした。修理に立ち寄ったのは、水上に作られた街。そこで彼は、思いがけない長い休暇を過ごすことになる。



#38「V30ブロックの最後」


生まれ育った街が、解体処分される。その最後の輝きを彼女たちは見つめる

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暫定市街地、V30ブロックは、今日でその寿命を終える。解体されて、跡地には超々高層ビル群が並ぶのだ。その街の最後の輝きを、ケイミとユリカは見つめる。



#39「グルメと嵐」


食いしん坊おじさんの、グルメ一人旅。楽しそうだが、こんな目に遭うことも。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054908913531


極渦と呼ばれる暴風雨に襲われることもある、底城区の町。そんなことを何も知らず、ラゴロフはやってきた。うまいシュニツェルを食わせるという店だけを目当てに。



#40「空を泳ぐ夜」


大都会の夜空を走るチューブを彼女は泳ぐ。別れの悲しみを水に溶かして

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金曜日の夜、ビル群の空を走る「スカイチューブ」を泳ぐひと時が、セレーネにとっては最高の時間だった。去って行った、キャサリンへの想いをループさせながら。



#41「世界の終りの向こう側」


地下街の遺構ではしゃぐ彼女たち。この街区にも華やかな時代はあったのだと

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054917244996


寂れた街区で発見された、戦争前の商業施設の遺構。カラフルな看板が並んでいたその場所で、ケイトたちは思わずはしゃぐ。この街にもこんなにぎやかな時代があったのだ、と。



#42「ブロー・アウト」


ラピスラズリ市場は暴落か、高騰か? ベテラントレーダーは、決断を下す。

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共通液体通貨の原料の一つ、ラピスラズリ。その産出地における重大な事故が、価格の乱高下を引き起こした。売りか、買いか? ベテラントレーダー・シモンの決断は。



#43「高い塔と彼女」


南方随一の高さを誇る、孤独な鉄塔。その姿に、彼女は何を思うのか。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054917879334


父の事業を成功させるため、取引先である有力者の婚約者として、独り遠い南方へやってきたシーナ。夜空にそびえる巨大な電波塔の孤独な佇まいに、彼女は自らの姿を見る。



#44「光の糸の下で」


夜空を走る、紅い光の糸。この光が、地区の人々の生命を支えている。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054918214900


地区の人達が、自力で開設した診療所。その夜、訪れた患者は、重い脳血管疾患の兆候を示していた。しかし、中央病院との光通信がつながらない。処置は間に合うのか。



#45「機関車の美女」


それは、初恋のようなものだったのかも知れない。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054918603627


湖で採れた産物を運ぶための、短い支線。大通りの路面を走るそのレールの上に、珍しい大型機関車が姿を現した。幼いコハクは、夢中で手を振った。



#46「音楽は残った」


全てが滅びても音楽は残り、時代の空気を伝え続ける

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054918980983


ケンが見つけた、お気に入りの店。洒落た雰囲気のそのダイナーでは、傑作機と呼ばれた電子オーケストリオンによる、古典テクノポップの演奏を聴くことができた。



#47「砂の沼」


巨大な砂の沼に浮かぶ人工の「島」は、この世界の結び目だった

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054920991472


ウォターク砂沼の岸辺に暮らすハイエルは、沼に浮かぶ「島」へと食料品を売りに行くことで生計を立てている。だが、その人工の「島」が持つ重大な役割を、彼は知らなかった。



#48「美を知る者」


地中に眠る大量の複製陶板画は、人類に残された宝だった。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054921351603


戦争前の芸術、特に絵画は復元困難とされていた。ところが、地中深くに大量に眠る複製陶板画の発見が、状況を変えた。人類は、かつて存在した「美」を、再び手にする。



#49「谷間の一軒家」


この巨大都市そのものが実体化した誇大妄想だと、彼には分かっていた。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054921731045


林立する超高層ビル群の真ん中に残された、たった一軒の古ぼけた民家は、巨大都市が支配するこの世界の原点とされた。正気とも思えぬその物語を、彼は必要としていたのだ。



#50「旅する函職人」(最終話)


ずらりと並んだ郡部諸街区の風景は、彼の半生そのものだった

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890611611/episodes/1177354054922094071


立体ホログラム映像の技術を用いて、透明な直方体の中に再現された、郡部諸街区の風景。ずらりと並んだそれらホログラム作品の数々は、旅に生きた彼の半生そのものだった。





「ブライト・ライツ・セレナーデ」(番外)


大都会が一瞬だけ見せる最高の夕暮れ。特に、たった八分の一のその日には。

https://kakuyomu.jp/works/16816452220781034843/episodes/16816452220781166722

高層ビルの外壁に設置された垂直ゴンドラのオペレータ、クレアは自分の仕事を素晴らしいものと信じて日々頑張っていた。特に、彼女にとって特別な人に会える、その日には。

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【完結】メトロポリタン・ストーリーズ 【SF掌編集】 天野橋立 @hashidateamano

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