概要
その夜、彼は自らの人生に転機がもたらされることを予見していた。だがそれが何かは分からないまま時間は過ぎていく。そして自らの予見が外れたことを感じたその時、彼の前に一人の女性が現れる。彼女の名前はエレイン。彼女は一茶を祖母の元へと導く。
その祖母「あやめ」もまた占い師で、彼女は一茶を待っていた。
彼女が受け継いだ不思議な異能の力を一茶に引き継ぐために…
かくして物語ははじまる
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- ★★★ Excellent!!!YESかNOか?賢者の手に委ねられる未来の行方に、幸があるのだろうか?
当たるも八卦、当たらぬも八卦。いや、そんな悠長な占いでは無かった。
〇か?×か?YESか?NOか?全身全霊を掛けた究極の二択。
回答率100%の占いには訳があった。
これは、天涯孤独なフリーターが見知らぬ人と巡り会い、不思議な占いの能力を使う物語。
それは神から贈られた能力=「ギフト」。それは「賢者の手」という摩訶不思議な能力。
その力を巡って、主人公は何を語るのか?
流されるままに現状を受け入れ、天涯孤独だった人生に、唐突に人のふれあいと温かさを感じた一茶。しかし、与えられた不思議な能力には代償が必要。何を得て、何を失うのか? まさに等価交換。お金とモノの関係同様に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!最強にして稀有な占いの能力を持ったとき、あなたならどうするか!?
二択の質問であれば、100%当てられる。そんな占いの能力がある日手に入ったら?
昼間はフリーター、夜は占い師という、どちらかというとあまり目立たない半生を送ってきた男性が、ある日突然外国人風の女性に呼ばれて、ある老婦人のもとに連れて行かれるところから、物語はスタートします。
その老婦人は、占いは占いでも、YesとNoで答えられる質問なら、確実に正解を導ける能力を持っていて、それが主人公に引き継がれ、人生は一変します。
最強な能力ですが、稀有な力は、否が応でも周りの人たちの人生を、良い意味でも悪い意味でも狂わせます。さらにこの能力には恐ろしい秘密が……。
そんな諸刃の剣を抱えながら、真摯…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その手に翻弄され、導かれ、多くのものを失った後で、彼は何を手にしたのか
提示された問いの、二択の選択肢のうち、必ず正しい方を知ることができる力を得たとしたら。
使いようによっては、どんな富や権力も手にすることができるかもしれません。
だけどその力を行使するたび、自らの五感を少しずつ失っていくとしたら?
これは、そんな不思議な力を継承してしまった、一人の青年の物語です。
穏やかで、どことなく諦観の漂う語り口。
それとは裏腹に、主人公・一茶の運命は大きな奔流に呑まれていきます。
何も持たない天涯孤独の身だった彼が手にした、あまりに大きな力。
多くを失ううち、彼は自分自身を犠牲にしても良いと思えるものを見つけるのですが——
様々な思惑が行き交う中で、緩やかに繋がっ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!映画を見終わったような読後感! 読み切った満足を味わえます!
人から人へ受け継がれる絶対的な未来予知の能力。
町の路上で占い師をしていた主人公は、その能力を手に入れてから人生が一変する。
プロローグで物語の始まりを予感させ、そこから主人公の日常へと切り替わる。そこから主人公が能力を手にするまでの過程、その後に関わることになった様々な人々との生活。
それらすべてがクライマックスに向けた下準備になっており、物語の流れがとても丁寧に描かれています。
主人公の気持ちの移り変わりにも唐突さが一切なく、作者さまが主人公の行動の動機付けをとても大事にしているというのが伝わるので、とんでもない代償を背負ってもで行動を起こす主人公にすごく納得し、共感できるのですね。
読…続きを読む - ★★★ Excellent!!!その力は彼をたしかに豊かにした。だが、幸せにしたかどうかはすこし怪しい
当たると思うも、当たらぬと思うも、あなた次第。それが占い。だがもし、絶対に当たる占いがあるとしたら……。
辻で占い師をしている一茶は、ある日運命の出会いをする。それにより彼は「ギフト」すなわち超常的な能力を手に入れる。それは、絶対に当たる占いの力『賢者の手』だった。
家族も財産も、何も持たない一人の若者が、ある日突然超常能力を与えられ、その生活は一気に変容する。高い収入、豊かな生活、そして彼を信頼してくれる人たち。
しかし、彼が与えられた能力は、必ずしも彼を幸せにするものではなかった。
いっけん価値がありそうに見えた絶対に当たる占いだが、その力は彼からいろいろな物を奪ってい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日常にささやかな幸せを見出す占い師が両手を合わせる時、それは見える
フリーターをしながら占い師業を営む主人公・一茶は、控えめながら芯のある人物。
授かった『賢者の手』はその能力を行使する代償は決して生易しいものではなく、諸刃の剣そのもの。しかし一茶はその力との向き合い方を人生を通して、見出してゆきます。
大きな流れに飲まれるようにして人生が流転していく中で、一茶とその周囲の人たちが危機に陥り、やむを得ず一茶は繰り返し『賢者の手』を合わせることになります。
それを切り抜けることが出来たのは、『賢者の手』の力だけではなく、一茶の『機転』。『能力』は使いようなのだと思わせてくれる秀逸な展開でした。
個性的なキャラクターに囲まれる一茶は一見地味にも見えますが、…続きを読む - ★★★ Excellent!!!フリーター兼占い師、必ず当たる占いのギフトを授かり人生が一変する
小林一茶という男のある種のサクセスストーリーと言ってもいいかも知れません。
彼は普段はコンビニのバイト。
夜になると占い師の仕事。
ある日、あやめさんという高齢の女性から不思議な力を授かる。
かくして一茶の波乱万丈の人生が始まる次第。
その力はとても便利なのですが代償が伴います。
その力を使うべきかどうか、事あるごとに悩む一茶。
彼の選択は皆を幸せにするのでしょうか。
一茶を取り巻く人々も魅力的。
美女エレイン。
社長のマック。
占いの師匠の松尾先生。
そしてギフトを授けてくれたあやめさん。
いずれも一茶に大きな影響を与えていきます。
不思議な力、能力、才能。
一茶は使いこなせるのでし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!必ず当たる占い。賢者の手が導く未来とは?
必ず当たる占いができるという力を秘めた賢者の手を引き継ぐことになった主人公の一茶。元々占い師だった彼は、自分の人生に何かがあると予見していたが、その予見は思わぬ形で一茶の運命を変えていった。
といった感じで始まる本作品の見所は、賢者の手の力を受け継いだ主人公一茶の波瀾万丈なドラマです。
絶対に当たるという占いの力ですが、その代償として人間の感覚を失うというリスクがあり、そう何度も使えるわけではありません。さらには、占いの答え方にも制限がある為、淡々と問題を解決していくストーリーになっていないところがキーになっています。
また、主人公の一茶が妙にクセのある人物であり、およそ絶大な力を手に…続きを読む