必ず当たる占い。賢者の手が導く未来とは?

必ず当たる占いができるという力を秘めた賢者の手を引き継ぐことになった主人公の一茶。元々占い師だった彼は、自分の人生に何かがあると予見していたが、その予見は思わぬ形で一茶の運命を変えていった。

といった感じで始まる本作品の見所は、賢者の手の力を受け継いだ主人公一茶の波瀾万丈なドラマです。

絶対に当たるという占いの力ですが、その代償として人間の感覚を失うというリスクがあり、そう何度も使えるわけではありません。さらには、占いの答え方にも制限がある為、淡々と問題を解決していくストーリーになっていないところがキーになっています。

また、主人公の一茶が妙にクセのある人物であり、およそ絶大な力を手にした者とは思えない思考を見せます。そのあたりが上手くストーリーに反映されており、一筋縄ではいかないキャラクターたちとのやりとりにも味を出させています。

後半は怒涛の展開が続きますが、しっかりと伏線も回収されており、賢者の手が導くラストはなんとも哀愁さえ漂うような感慨深いものになっています。

テンポよく展開していくタッチとストーリーは心地よく、一見複雑そうな背景も苦にならずに理解できる点は今回も健在でした。

絶対に当たるという力を受け継いだ男が旅したドラマ。ぜひ皆さまにも、その結末に立ち会っていただけたらと思います!!

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