概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ライブハウスの喧騒、音楽への情熱。熱い感情たちのごく一部としての恋。
音楽に深い情熱を注ぐ若者達のエネルギーが溢れ、読み手が向き合う空間をこれでもかと震わす。この上なく高い熱量を発散する作品だ。
大学時代に組んでいたバンドを離脱し、今は社会の一員として仕事を持つ主人公、莉奈。彼女はギタリストとして活動していた時代に使っていたジャガーを今もクローゼットの奥に仕舞い込んでいる。
彼女が想いを寄せたボーカル・ゲバラは、昔から心にも身体にも音楽のことしかない男だ。莉奈は自分の音楽の才能や情熱がゲバラの求めているものに相応しくないと感じ、かつ彼に対し恋情を抱いている自分自身に苛立つ。ゲバラにとっては音楽が全てだ。恋などという感情を彼に期待することそのものが虚しいと感じ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!触るな危険の感情が、一気に押し寄せてくる作品です!
他の作家さまからの紹介で読み始めましたが、これはヤバい部類の作品になります。
なにがヤバいのかは、はっきり言って読み手によりますが、誰しもが夢を前にして諦めたことはあると思いますが、その諦めた時のことを強制的に向き合わせにくるということです。
これは、ある種のトラウマを引き出すものであり、ある意味敬遠されかねないものであります。
しかしながら、こちらの作品では、そうしたマイナス部分も含めた上で、「ごちゃごちゃ言わずに読め」と迫ってくる勢いがあります。
この勢いが、久しく忘れていたカタルシスを呼び起こしてくれます。私はこの感動を「撃ち抜かれた!」と表現しました。
あえて内容には触れま…続きを読む - ★★★ Excellent!!!文字を追え! 熱い音色が聴こえるはずだ☆
とかく、アーティストと呼ばれる人たちは馬鹿が多い。しかも「大」がつくほどの馬鹿だ。しかし、現状に不安を抱いたり、踏み出す一歩を躊躇したりすると、彼らは単なる馬鹿に格下げとなる。馬鹿と大馬鹿の違いは、その辺の差にあるのではないかと愛宕は思う。
それはさておき、作中に登場するバンドメンバーは、誰もが大馬鹿だった。しかし、主人公の蒲田さんは、女の子なら誰しもが一度は抱く恋心のせいで、大馬鹿から馬鹿へ変わろうとしていた。欧米と違い、日本人は保守的な国民だ。だからとは言わないが、日本人だったことで国民性マジョリティの波に呑まれ、一度は人生という海原に溺れかけてしまう。個性は残そうと工夫しても、孤独…続きを読む