概要
仙台市に住む大学生の土方守は、幼馴染の沖田洋に振り回されてばかりの、どこか平和な日常を送っていた。
だが、突如襲った直下地震が、その日常を根底から覆す。
地震を機に沖田が姿を消し、彼女の家族は「沖田は入院している」と告げるものの、どこか腑に落ちない――。
そんな中、土方はかつての幼馴染であるイタコの近藤晴太と再会。彼から、沖田が「先祖の罪によって八十禍津日神の呪いを受けている」と聞かされる。そしてさらに、直下地震の原因が沖田であることが判明するのだった。
沖田を救いたい一心で、呪いを解く方法を探す土方。しかし、追い詰められた彼が手を伸ばしたのは「禁忌の力」。
それは呪いを和らげるどころか、新たな災厄を呼び寄せる危険な扉だった――。
呪われた沖田、禁忌に触れた土方、
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!18年分の想い
何でもこの作品、筆者がいろんな作品を公募や持ち込みして18年振るわず、最後と思って更新している作品らしいです。
読んでみればたった六話で18年分積み上げてきたであろう描写が詰め込まれており非常にインパクトがありました。
名ばかりの新撰組とあらすじにあるように名前だけ、されどそういう名前だからこその主人公の苦悩やヒロインのノリノリな描写で性格が現されて非常にわかりやすい。
関係性も丁寧に描かれていて、幼馴染なんだなと思わせる描写が自然に組み込まれていました。
事件が起こるまでの過程も自然で謎も気になる要素。
最初こそヒロインの性格に難有りと感じるかもしれませんがそこは「人」として描か…続きを読む - ★★★ Excellent!!!地震の夜、運命が狂い始めた――それでも、俺はアイツを見捨てない
沖田洋という女に、俺の人生は振り回され続けてきた。
生まれたときから、幼馴染としてセット扱いされてきた土方守。
付き合ってもいないのに噂ばかり広がり、何をするにも沖田が絡んでくる。
そんな人生に辟易しながらも、気がつけば大学4年生。
だがある日、沖田の身体に異変が起こる。
生まれつきあったはずの痣が、異様なまでに広がっていく。
さらに、彼女の家で見つかった"読めるはずのない本"。
そして、その本を読んだ直後に発生した大地震。
「これは、ただの偶然なのか?」
沖田の家族は何かを隠している。
彼女の父は「パンドラの箱を開けた」と呟き、沖田は忽然と姿を消した。
彼女はどこにいるのか?
そ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!感情豊かなキャラクターと、それを彩る過酷
主人公である守、ヒロインである洋、そして二人の幼馴染みである晴太の三人を中心として、洋が受けた「邪神の呪い」に対抗していく物語
三人の関係性が面白く、守は文句タラタラだが洋のことを常に気に掛けており、晴太は洋に子供の頃から好意を抱いている
「守られる対象」としてはいささか気の強すぎる洋の呪いを解くために、三人で奮闘するのがストーリーの主軸だ
さまざまな謎や疑問が散らばり、読者を飽きさせない工夫がなされているし、何より文章力が高いので読みやすく、文字を追うだけで面白い
地の文が多くても平気な方は、是非
※利用停止措置を受けたため、本レビューは再投稿となります - ★★★ Excellent!!!彼らの実体を見てほしい
名は体を表す。
名前は大切な人からもらう最初の祝福のようなものだと思います。
そこに込められた願いが、そのものやひとの本当の姿を形つくる。
では、当人たちが己の意志で決めることのできない名字という祝福。
名は体を表すというならば、名字は運命から授かる呪いのようなものといえるのではないでしょうか。
本作は新撰組と同じ名字を背負う登場人物たちが、ヒロインにかけられた呪いを解くために、様々な困難を乗り越えていく人間ドラマです。
一見すると、ラブコメにも思えてしまうほど、主人公とヒロイン、それを取り巻くキャラクターたちのコミカルな掛け合いと、色鮮やかな心理描写が特徴的です。
ですが、彼らへ…続きを読む