緯糸ひつじ

人工子宮が普及した今、母になる自信を持つのは難しいみたいだ。 ガラスの向こうに我が子を見る。平らなお腹は実感を与えてくれない。新しい生活はまだ、少し遠く感じた。

　不良教師を自称する秋田は、前任の産休の絡みから、年度の途中でクラス担任を受け持つこととなった。 　そのクラスにいたのは、人と少し違う生き方を強いられている、春川桜子という女子生…

§:「keteric ominbus」 1:「ラズライト・ダウン」 遠い未来。言語生命体「冠」が地球人類の医療・電子端末を食い破って繁茂し、ヒトは絶滅した。 「冠」への対抗手段…

創作讃歌

存在しないラノベのレビューです。ネタバレを含みますので、未読の方はそれを了承の上お読み下さい。

　久我雅人、二十五歳男性、アルスマグナ社保有の“広告”軍中尉だ。 　彼は巨大企業によって経済支配が行われた日本において、花形とされる“広告デザイナー”の仕事についていた。 　彼の…

「最も価値のあるものを奪ってやる」 業務上横領で逮捕された建設会社経理部長。 強制猥褻で逮捕された都議会議員。 二人のところには同じ文面の手紙が届いていた。 そしてその手紙が三人…

　有人書読探査機『かくよむ』とは、スコッパードリルでカクヨムの地中を掘り進み、埋もれた〝メイサク〟を発見すべく運用される探査機である。ふたりのパイロットとひとりの研究者が乗り込み…

アルダリッヒ・フォン・ベルンヴァルト号。 優秀なその警察犬の功績を称えて。 ※この物語はフィクションです。

宇宙より飛来した謎の植物生命体。 それはタネを飛ばし、増殖する。 各地に散らばったそのタネは、 やがて人類に仇なす「敵」となる。 人類の存続のため、立ち上がったのは空軍最新鋭機…

　地上は毒に侵され、人間が住めなくなって久しい。 　かつて栄えた文明の芸術と学問を守るべくそのシェルターは築かれた。素質と血筋、才能を管理され自由のない暮らし。けれど疑問を抱く…

島崎＆川畑シリーズ第一弾 幼馴染の篤（あつし）が殺された。 現場を目撃してしまったあたし。 だけど、あたしもその犯人に命を狙われて……。 無精髭にヨレヨレシャツの飄々とした刑…

『カクヨムWeb小説短編賞2018』【中間選考通過作品】 『コバルト短編小説新人賞』【もう一歩の作品】 音楽の道を目指そうとした途端、親から突き付けられた「皆に助けられた命」とい…

　足元から崩れた土と共に、わたしは斜面を滑り落ちた。 　目を覚ましたところは名も知らぬ集落。世話をしてくれた娘に声を掛ければひどく怯えられ、悪夢に叫べば住人が様子をうかがいに来る…

「おじいちゃん」 「うん？」 「オリンピックで金メダルとるのって、むずかしい？」 「そうだな……すごく難しい。でも無理じゃない」 「ぼく、とれるかな？」 「ふふ、諦めなければいつ…

東のプリンス・大路詩音。西のウルフ・大神響。 音楽界に燦然と輝く若きピアニストと作曲家。 見た目爽やか王子様（実は負けず嫌い）と、 クールなヴィジュアルの一匹狼（実は超弱気）、 …

　お山に狐火が三つ灯ったら、それが市の立つ合図です。 　作法は三つ。面をかぶって素顔を晒さないこと。提灯を持って歩いてゆくこと。そして、決して声を出さないこと。 　守らなかっ…

本格ミステリーはちょっと……というあなたに、ミステリーの魅力をギュッと詰め込んだこの短編を贈ります。 ただし、謎解きを考える時間は含んでおりません。 すぐに答えを読むもよし、じっ…

文化祭前日。 明日の準備に追われ、忙しく走る佐野歩と前田美樹は偶然にも出会った。 一礼し、避けようとするが、二人は右、左、右、左へと何故か同じ方向へ避けてしまい先へ進めない。 …

折原洋介、年齢１７歳。 物心ついた頃から幽霊が見え、幽霊に触れることができる男。 彼は今、初めての恋をしていた。 彼の初恋相手は千堂椿、享年１８歳。 ファーストキスも経験しない…

ショコラティエ匠とピアニスト響子シリーズ第三弾。 ほのぼの日常の二人ですが、今回は少しシリアス？ 響子、大学生時代。匠、自立前の時代のお話。 二人の飛躍の舞台が真冬に訪れまし…

季節は巡る。 《夏》には燃えるような日差しに勢いよく緑を繁らせて、赤や黄に錦をなす《秋》が終わると雪が舞い、《冬》が終わるまで大地は静かに眠りにつく。そうして待ちこがれた《春》に…

蒸し暑い夏の午後、しなやかな素足に藍の鱗。 柔い生地のワンピース。締まった膝頭に絡みつく美しき蛇。 僕の頭に焼きついて離れない、遠い日の情景が夏ごとに甦る。 藤香。君の蛇は健や…

ソシャゲのフレンドにまつわる、ちょっとビターで、ちょっとミステリな話。 【Twitter企画タグ：#三題茶会】 お題 ・予定時刻を大幅にすぎて ・十パーセントの向こう側 ・サイレ…

筋骨隆々のカンダタが垂れてきた蜘蛛の糸を引っ張って地獄へ釈迦を叩き落してバトルしたら面白くないですか？

「残す」ためにやって来た少年少女は、穏やかな水の底で弔いの意味を考える。 【Twitter企画タグ：#三題茶会】 お題 ・交差点の真ん中 ・震えた筆跡 ・溶かしたネオンブルー イ…

革命の中で、幼き二人は静かに戦う。囚われの幼い王女は、貧しい家柄の少年に知識を与える。先に見えるのは、二人がのぞむ強大な敵と、二人がのぞむ将来。教育とは何か、学習とは何か、その必…

ゆあん様の企画、「筆致は物語を超えるか【海が太陽のきらり】」に参加しています。 https://kakuyomu.jp/user_events/11773540548917438…

剣豪・柳生宗厳がかつて天狗と一戦交えたとき、刀で巨岩を両断したという。その神業に憧れ、姉の仇討ちのために天狗斬りを会得したいと願う少女がいた。 ※なろう、カクヨム、アルファポリ…

ゆあんさんの自主企画「筆致は物語を超えるか」参加作品です。 https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054891743810 去年「明日…

※ゆあん様の自主企画「筆致は物語を超えるか【海が太陽のきらり】」参加作品です。 ※フレーズ評価、コピペＯＫ。 　昨年の【明日の黒板】に引き続き参加させて頂きました。 　なお、プ…

約八十年前から起きた世界精霊化傾向によって、子供の他殺遺棄屍体が天を借りて泣き、長雨を降らせるようになった時代。 気象捜査官として研修生になったばかりの由利つかさは、雨に呼ばれて…

何者にもなれない近所のお兄さんと、男の子趣味で孤立する女の子が、他者からの承認を求めるように心通わせる。 【Twitter企画タグ：#三題茶会】 お題 ・無限大な夢のあと ・紋章…

学生の頃、 友人主催のパーティーで知り合ったふたりが、 十年後、 再会して （2017年に一度公開したものです　再公開）

　創作に関するエッセイです。 「オムレツを作るためにはまず卵を割らなくてはならない。」 　当たり前のことですけど、その当たり前が一番しんどく難しい時があります。 　そういう時の為…

５話完結の短編です。

　200X年、宇宙から謎の物体が飛来しかけたが、すぐに話題から消え去った。そんな中、「ケン」と「兄貴」は山奥で見つけた「とある場所」と、忘れられた物体の関連性に気づく。

ジェイクは父が多賀インターチェンジで休憩を取ろうと車の扉を開いた隙に、スルっと抜け出してそのまま脱走して行方不明になってしまった。

彼女はつかれやすい。 疲れやすいのではなく、憑かれやすい。 ふとした拍子に、幽霊に憑依されてしまう彼女。 身体を乗っ取られれば、彼女の意識は眠ってしまう。 そんな彼女を、元に戻…

大都会・東京——。 その片隅では、3時間の間に様々な人間模様が垣間見える。 人々がすれ違い、絡み合うことで描かれる見えない螺旋。 一話3時間。24時間÷3時間=全8話。

「夜はよく寝ろ。 　朝は早く起きて、飯を食え。 　日が暮れるまで遊んだら、夜寝る前にその日何を学んだか考えろ」

ホタル、ウミホタル、ヤコウチュウ、チョウチンアンコウ、安瀬家の女。これらの生物には共通点がある。自ら光を放つ、発光生物であるということだ。安瀬カヲルは、バイトのウェイな先輩ソウヤ…

あなたはサークルクラッシュに巻き込まれて大学に来なくなった友人の家を訪れた。 家は思ったよりも片付いており、東京のお土産物が大量に並べられている。 ここは東京なのに、何故わざわざ…

詳細は中身をご覧になってからお聞かせください。 きっと貴方の心に残るものに仕上がっています。

プラネタリウム「スペース・ドーム」に勤める解説員、星歌と天文台の研究員である星歌の旦那、空人（そらひと）。 お互い星が大好きで、星座が大好きで、宇宙を愛して惹かれあった二人。 …

ある夏の出来事。 普通の中学生である浩太の前に、侵略者が現れる。

決して立ち入りを禁じられているわけでもないのに生徒の出入りが少ない屋上に、ポツンと置かれた生徒用の机。お気に入りの小説のワンシーンを思い出して、近寄って、それは小さい青春の一ペー…

夢月七海様企画「同題異話・四月号　　春はまだ青いか」参加させて頂きます。 灰色の青春時代を送ったので爽やかな話が書けず、開き直った結果好きなものを沢山詰め込んだ話になりました。い…

【お知らせ】 令和３年３月１１日発行『５分で読書　ちょっとかわった、恋のはじまり。』（カドカワ読書タイム）に加筆修正板が収録されます。 書籍情報：https://www.kado…