一人の教師を軸に様々な時間軸の短い話が飛び交っていきます。紡がれていく物語が、その教師の人生を作り上げていき、そして、教師に影響を受けた人々の人生がまた積み上がっていく。私たちは誰かと関わって生きていく。
先生というより、恩師という方がしっくりくる。それも誰かにとっての恩師ではなく、みんなにとっての恩師。彼が交わった生徒たちとの物語が優しく、輪を作るように紡がれています。
一話一話が、一人一人が、繋がっているお話なのです。ぜひ最後まで目を通してください。きっと、読者も襷を繋いでいる一人になれます。先生のセリフが好きすぎて、泣きそうになります。大人になってから、風を切って走る機会が無くなってしまいましたが、キャラクターを通して、全速力で駆けているような気持ちになれました。すごく素敵な作品をありがとうございます。