それぞれプラネタリウムと天文台に勤める、共に星が好きな夫婦の星歌と空人。だけど同じ星好きでもその度合いには差があるようで「わたしと星とどっちが大事なの」と言い出しそうな状況。だけど……所々に挟まれる星の描写が素敵で、しかもそれがただの知識だけにはとどまらず、二人の想いを盛り上げる重要なカギとなっています。夜空の星にも負けないくらい、素敵な二人の物語でした。
星が大好きな二人が夫婦になってしばらく。すれ違う夫婦のありようがとてもリアルで、けれど『私』の拗ね方がとてもかわいい。美しい夜空と星の描写がしっとり心に染み込んで。読み終わったらきっと、夜空を見上げたくなる物語。
すれ違いもありましたが、素敵な二人でした。星の話がとても詳しく、練られたストーリーでした。同題異話で、ここまで甘い話ができたとはさすがでした。夜空の星を見ながら、この話を思い出そうと思います!
まるでオルゴールの音色のような可愛らしいリズムで語られる物語は、その軽快な調べとは裏腹に重厚な知識とリアルな人間模様を奏でています。星に魅せられた二人の心の距離は、何光年?ちょっとだけマニアックで、とっても可愛くて、少しだけ男の子には耳の痛い物語。
主人公の愚痴と上手くいっていない夫婦関係にはらはらさせられましたが、最終話は驚きと幸せが詰まっていました。星に関する描写が美しく、目の前に夜空が広がっていくようです。また、宇宙についての豆知識もあって、たくさん楽しませていただきました。
「星が好き」という共通点を持った2人が結婚して、それからしばらく経ってからのお話。人間とは哀しいかな、環境に適応する生き物なので、「あの時の私」と「今の私」は同じだけれど同じじゃないんですよね。具体的に言うと、「星が好きな私」は、今や「星が嫌いな私」に変貌を遂げている訳です。さて、この「私」はどうなってしまうのか?答えをここで言うのは無粋というものですが、ひとつだけ。このお話を読んだあなたは、きっと。夜空を仰ぐことになると思いますよ。
感情表現、比喩表現、情景描写、どれをとっても美しいその文章に惹きこまれていくこと間違いなしです。読み終わった時、きっと双子座を見てみたいと思う。そんな、星を嫌ってしまった「私」と星に取り憑かれてしまった「彼」のお話。