プロのショコラティエを目指す匠と、プロのピアニストを目指す響子。この二人の物語は本当に甘いのですが、注目して欲しいのは「甘さ」の前にある「苦さ」です。
人間は何かと何かを比べて生きていると言っても過言ではない生き物。「苦味」があるから「甘味」がわかるように、意識せずに何かを比べていると思うのです。
今回も、失敗という「苦味」があるからこそ、上手くできた時の「甘味」を感じられるんだなぁと改めて思いました。
それともうひとつ。さっき「人は比べてばかり」だと言いましたけど、この二人は、お互いを比べてない。本当に二人にとってお互いが、唯一無二の存在なんだなぁと納得できました。
寒い冬にぴったりのお話ですけど、もちろん夏でも美味しく頂けます。おすすめの作品です!
こんなの、好きになるに決まってるじゃないですか…っ…(涙
…と、のっけから失礼いたしました(咳払い
恋愛小説は数あれど、大人の背伸びした感じと、青春のような恋の甘酸っぱさを内包した物語は、このお話を置いて、他にはないんじゃないでしょうか…。
本当に、匠の大人男子としての距離感のとり方(でも嫉妬もするし心配もする)と、響子さんの大人女子としての天真爛漫さ(そして匠さんに頼っちゃうところもある)が、すごくすごく、胸にきます。本当にこの二人の関係性が尊いのです…。
加えて、二人のバックで流れる甘いお菓子とピアノの音色も必見。読んでいるだけで、ちょっといいカフェにいるような、贅沢な時間が味わえます。
ほろ甘い恋愛物語を楽しみたい方!是非一度、ご一読ください~!
(そしてもしも、このお話で匠響子にハマりましたら、是非他の短編も…読んで…一緒に魅力にハマりましょう…)