第31話 クロイツム侯爵領訪問
港は完成したし人員も確保した、シナ-ルも無事に女の子を出産して1カ月が経っ
た、3162年4月10日風の日に成ってサクラもすくすく育っているが、まだ首が座って
居ないので抱き難いし寝かせてばかりだった、この年の初めにクロイツム侯爵から来
た手紙に対して今年中に訪問すると手紙を書いた、ホウライ国も大分落ち着いて来た
ので手紙を出す事にした、この度ホウライ国に港が完成したのでそれを記念して新
侯爵領にお邪魔する。トーマンツに着く様に行きたいと思いますが出発は4月の20日
に予定して居ます到着は4月の27日に成ると思われますが天候次第です。と書き
手紙を送ったがギルド通信で送ると1日で着き侯爵の手に届くのが次の日だと言う事
で、今日が4月の10日なので12日には侯爵が目にしていると考えても4月の27日到着は
先方にも余裕が有ると考え実行する事にした、ホウライ国の船は魔造船なので着く
のが早い、帆船だと天候の影響が大きくて20日程掛かる距離だが、魔造船だと7日で
到着してしまうので驚かれるかも知れないが、陸地を行くよりはるかに速いしお土産
も積んで行ける事が重要だ、俺は以前行った事が有るので転移出来るが一人と言う訳
にも行かないし、当然妻を連れて行く事に成るので余計に荷物が有る筈だ、シナ-ル
はサクラが小さいので留守番をして貰いイマリカとマイ-ラも連れて行く事にした、
二人には経験を積んで欲しいし貴族との付き合いにも慣れて貰いたいと思って居た、
イマリカとマイ-ラに告げると喜んで行くと言ったし船は乗った事が無いと言ったの
で、俺は秘かに新しい魔法を作りだした船酔い防止魔法だ、これが無いと2度と船に
乗らないと言いたくなるほど船酔いすると思う。これはアグリスにも同様で舟には船
酔いが付き物だし、俺はそんな事に成らない様にこの魔法を掛けると二度と船酔いは
撓いそう言う魔法にした、船には去年取れた米も200kg程積んで置き侯爵に試食し
てもらう積りだ、侯爵の今度の領地は広大だし南の温暖な所だ米の栽培には持って来
いの土地だし、逆に小麦とかは育ちにくい温暖さが仇になる事も有るので、新たな可
能性が有る米は面白いかも知れないと思って居たが、庶民が如何に受け入れて呉れる
かが問題だった、4月20日は快晴で絶好の船出日和で俺の目算では2日~3日は好天が
続く見立てだった、船は100t用(全長55m幅8mで速力は最大で22ノット)を使用す
る事にして出港した、15ノットの余裕のある速度で進んで行くと3000km有るトーマ
ンツまでは7日掛るが、馬車だと30日~32日掛るので大分早い筈で帆船だと天候が良
くて10日だと言う事だ、航海は順調だったがトランド半島の中ほどまで来た時に海が
荒れだした5日目の事だった、半島の陰に入りやり過ごす事にしたが1日其処に停泊し
た、嵐が過ぎて2日後にト-マンツの港に着くと侯爵の部下が待って居た名前がコギ
ラムさんと言うそうだ、コギラムさんが帆の無い船を見て「あの船はどの様にして進
むのですか?」と聞いて来た、俺は魔石を使った魔造船だと言うと驚いて居たが取り
敢えず迎えの馬車に米を積んだ、そしてト-マンツで魚の干物を購入してから領館の
有るホトマイに向かった、馬車で3日掛り着くと領館の玄関に侯爵が迎えに出ていた
のには驚いたが無事に着いた、その日は歓迎の宴が有りイエサン湖の魚料理やトラウ
湾で取れた魚料理と言った美味しい料理で接待された、次の日には領都の案内をして
貰い美しいイエサン湖を見ながらの巡視に成った、ここホトマイの町は人口が5万人
程の町で綺麗な町だが、帝都から遠く帝国の兵1万人余りを駐屯するには狭く土地も
無かった、なので兵はコストンのダンジョン都市に置いて居た、其処ならば広大な平
原の町なので駐屯地には持って来いで建物の建て放題だったが、町は小さいのでダン
ジョンに来る冒険者と揉めたりとかの小さい騒動が多く町の住人からは嫌がられて居
た、一通りの近くの町の様子は見て来たが領館に帰り侯爵が見て来て如何思うと聞か
れた、俺は侯爵に「この町は狭いし港が作れないのが欠点だ」と言った、侯爵は「や
はりそうか、私も港が作れないのは大きな欠点だと考えていた」と言った、其処で俺
は「領都はト-マンツが良いと思います。ロココ半島を帝都からアゴルに道を通せば
アルゴから帝都まで2日で行けそうなのも良いと思います」と言い、「船で行っても2
日で行けるでしょう。」と言うと、侯爵は「船は天気に左右されるので考えていない
し帆船を作れない」と言った、俺は「船はホウライ国で作り売ります」と言うと、侯
爵は「ユキノスケ殿たちは帆の無い船で来たと聞いているがその船の事か」と言っ
た、俺は「そうですその船の事です。我々は魔造船と呼んで居ますが今の所100t用
と200t用の2種類の船が作れます。将来はもっと大きな船を作りたいと思いますが、そ
れには大きな魔石が必要になるので難しいかもしれません」と言って置いた、侯爵は
その船の事をもっと詳しく聞きたいと言った、俺は船の仕組み「スクリュウと言う物
を説明したそして風が無くても進み、俺達はユ-ロン半島からト-マンツ迄8日で来
れた事やこれからは船の時代に成ると話した、船は大きく成れば鉄で作らないと船自
体の重さに耐えられずに船が折れたりする」と言うと、「そんな船が作れるのか?」
と言った、俺は「作ろうと思えば作れるが材料が相当いるし、1艘作るのに時間が掛
り100mの長さの船を作ろうと思えば6カ月~8カ月は掛る」と言うと、「100mの船が
出来て風に左右されずに進むと為ると、兵が1000人位乗せる事が出来そうで戦争に使
われそうだ」と言った、俺は「その考えは正しいし必ず使う事に成るだろう」と言う
と、「そうだろうな。俺でも考え付く事は世間ではみな考える事だ」と言った、侯爵
は自分の評価は低いらしいとその時は思ったが考え着くのが早くて適格だった、「後
はそうだアゴルと帝都を結ぶ道を付ければと言って居たが、実現できそうかル-トは
見付けたのか」と言った、俺は「割と簡単に出来ると思いますが、俺が着けるより侯
爵がやる方が帝都にアピ-ル出来ると思いますが」と言うと、「俺の所にはそれ程の
土魔法が使える兵が居ない、ホウライ国には居ると思っている。あれほどのトンネル
を作りガロバに作った壁は完璧だったし、ルカトに作った壁も100年は持ちそうだっ
た」と言うと、「ユキノスケ殿是非お願いしたい来年か再来年でお願いする」と言い
ながら、「先ずは領都の移転が終わらせてから色々と考えて行くとするが、トーマン
ツに領都を移すとユ-ロン半島と交易が出来るので楽しみだ」と言う事で、俺は米を
見せ「これを試食して欲しい」と言うと、分かった初めて見る物だが麦の仲間見たい
だし食べて見ようと言う事に成った、俺が早速お釜を出して米を洗い火に掛けて待つ
事30分余り、やっと炊けたので塩おにぎりを作り魚の干物を焼き試食すると、「これ
は上手いな腹持ちも良さそうだ」と言いながらおにぎりを二つ平らげてしまった、
「これは米と言う食べ物で水田と言う所で作りこの地方は温暖なのでこの植物に向い
て居て、作りやすく大量に作れると日持ちも良いので飢える物が少なくなるはずで
す」と言うと、「それは凄い普及すると良い食べ物に成るので是非お願いしたい」と
言うので、「何人か選抜して貰いホウライ国で作り方を習得して、帰って来て栽培す
るやり方にしては如何ですか」と提案すると、そうして呉れ10人程連れて行ってくれ
と言って選抜し始めた。
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