第29話 クロイツム伯爵の出発

 

 俺とスマイラとアグリスは魔の森から帰りブル-ベリ-のジャムを作り、田圃を眺


めると稲が頭を下げ始めて居たので、暫くしてから稲刈りを始めて刈った稲を干す為


の台を作り掛けて行った、こうする事に拠り稲の甘みが増すと言われて居たと思うの


で遣って見た、今日で8月も終わり明日からは9月に成る所だが、田植えが早かった事


も有り稲刈りが終わって終い米の脱穀と精米の為の魔道具を作成する事にした、魔石


は幾らでも有るので作ろうと思えば作り放題だ、材料はミスリルと鉄と銅を配合して


錆びない金属を作成してから作り始めた、3m程の箱型の魔道具で稲わらを米が付いた


ままで居れると最後に精米された米が出て来る優れもので、藁も再利用したりしめ縄


の様に藁縄にしたりと利用出来た、そんな事をして過ごして居ると9月の29日に成っ


ていた、クロイツム伯爵の旅立つ日が近づいて来たので俺はアグリスを連れてヨゴナ


を訪れた、ヨゴナでは宿を取り1泊してから明日の9月30日に挨拶をしに行き、10月1


日に見送る積りにしていてアグリスを紹介したいとも思って居た、次の日に領館に行


くと先ず驚いたのが門衛だった、俺とアグリスが門に近ずいて行くと門に居た兵が


「お嬢様」と言った、アグリスが「やぁ、シソンプソン元気だったか」と言うと、そ


のシソンプソンと言われた門衛が「お嬢こそ元気そうで何よりです。今まで何処に行


っていたのですか?」と言うと、アグリスが俺を指さして「私の旦那様」と言うと、


門衛が「ホウライ国に行ってたのですか?」と言った、アグリスは門衛にも親しく話


をしたりして居たそうで、シソンプソンは「本当に良かった無事な姿を見て安堵しま


した」と言って喜んだ、入り口でその様な一幕が有ったが領館に入るとマーリンガ子


爵が待って居た、そのまま二人を応接間に通してくれたので二人で待つと、クロイツ


ム伯爵のが入って来て最初に「アグリス様お久しぶりです」と言った、俺は知らなか


ったがクロイツム伯爵はアグリスに惚れて居たのかもと思ったが、アグリスが「クロ


イツム中佐じゃ無かった、今度は中将に成られたとかおめでとうございます。」と言


った、伯爵は「そこに居る君の夫ユキノスケ殿のお陰で中将に成る事に成ったが、私


の実力じゃないユキノスケ殿に依頼しただけの事だ」と言ったが、「その依頼する頭


脳と実行力が有ったからこそあなたは成功したし出世することに成った、そこがある


人とない人の違いです」とアグリスが言った、クロイツム伯爵は「それにしてもあな


たがユキノスケ殿の妻に成って居るとは、夢にも思いませんでしたが元気そうで何よ


りです。俺も妻が欲しくなってきました」と言った、俺は「今日はこの辺にして明日


の出発は何時位ですか?」と聞くと、「朝の10時を予定して居ます。とマーリンガ子


爵が教えて呉れた。」分かりました、「明日又見送りに来ますしその内に彼方にもお


邪魔します」と言うと、伯爵が「是非来てくれ。首を長くして待つて居ます」と言っ


て、握手を求められて領館を二人で出て来たら門に何人かの元伯爵の部下達が待って


居た、アグリスは微笑みながら皆に近づき「皆さんご心配をお掛けしましたが、私は


何とか元気にやって居ます。時間が有ればホウライ国に遊びに来て下さい。」と言っ


た、元伯爵の部下はアグリスには親しみを感じていた様で泣いて喜ぶ人も居た、アグ


リスは「又、明日来ます」と言って二人で歩いて宿に帰って来た、宿に帰り部屋で寛


ぎながら俺がアグリスに言った「君は皆に慕われて居たんだな」と言うと、アグリス


が「慕って呉れて要る人も居たが、顔を顰める人も居たので何方とも言えない」と言


った、なるほど万人に好かれるのは神様だけで一般人には難しい問題だ、次の日に10


時15分前に領館に行くと、冒険者ギルドギルドマスター始め商業ギルドギルドマスタ


ー等が見送りに来ていた、クロイツム侯爵は10時丁度に領館を旅立ち御付きの部下は


30人程居た、彼は今後歩兵第三部隊もそうだが陸軍の半分の第4部隊と第5部隊の司令


官に成るそうだ、その司令部がホトマイに移されるそうでクロイツム侯爵と共に


部隊も移って来るそうだ、俺は今の領都ホトマイよりトーマンツに移す方が良いと思


ったが口には出さなかった、侯爵の領地は広く広大だアゴルからイエサン湖周辺迄の


広大な土地を守護するには海だ、侯爵の領地はユ-ロン半島の3倍位有りそうで、半


島も多く人が居ない所が可成りあるし山もあるが、船なら移動がし易いし港を作れば


移動が楽になる筈だと俺は考えたが、侯爵が如何するかは今後の話で1年2年は様子見


をするかも知れない、其処で俺もそろそろ港の整理と言うか作らなければ世界に遅れ


る可能性が有ると思った、侯爵が旅立ち後に残ったマーリンガ伯爵に俺は挨拶


をしてユ-ロン半島に帰る事にした、伯爵の元にはこの地のお歴々が集まり談笑して


居たが、その場で次の子爵を紹介して貰ったが若い子爵で俺とほぼ同じ位の中尉だそ


うだ、「サントン・カンテト子爵です26才ですが頑張ります宜しくお願いします。」


と挨拶した、俺が「私はホウライ国代表ユキノスケと言います今後共に宜しくお願い


致します。こちらは妻のアグリスと言います。」と挨拶をして握手をして置いた、妻


のアグリスもドレスの裾を摘み頭を下げた、この辺は流石元貴族令嬢だっただけに洗


練されて居て所作が美しかった、それで領館を後にしてホウライ国へ帰って来た、結


構疲れたのでリビングに行きクリ-マさんに紅茶を入れて貰い飲んで居ると、思い出


したカカオを大量に持ち帰りバッグに入れたままに成って居た事を、取り出して実を


剥き魔法で発行させると良い香りがして来た、粉にしてお湯で溶かして見ると確かに


ココアだがこのままでは甘みが無くて俺の好きなココアじゃ無い、サトウキビから作


った砂糖を入れ溶かして飲むと昔飲んだココアだった、アグリスにも入れてクリ-マ


にも入れてあげた、ココアは妊婦にはどうだったか覚えていないがカフェインが少な


いので大丈夫だったように思うので、シナ-ルにも作りあげると皆がこの様な飲み物


は飲んだ事が無いと言いながら美味しいと言った、俺は次はコ-ヒ-が飲みたいと思


う様に成った、クロイツム侯爵が旅だって2カ月が経ち侯爵から手紙が届いた、内容


は一度遊びに来て欲しい相談したい事が有ると言う内容だった、今日は3162年1月5日


の事だったが俺は今年中にはお伺いすると返事を書きギルド経由で送った、俺は一度


転移して地形を把握する事にしたが、余り詳しすぎるのも疑われるかも知れないと思


ったが、取り敢えず行って見ようと考えて次の日にスストンのダンジョンがある辺り


に転移した、飛行魔法で飛んでも良いが明るいと丸見えになる恐れが有るので、新


しい魔法を考えていて光学魔法を作り出したミラーと言う魔法で、周りの景色を映し


出して自分を見えにくくする魔法だ、俺は取り敢えず人の居ない所まで移動して飛行


魔法を発動してミラーを掛けた、ユキノスケの飛行魔法は時速500km程のスピ-ドが


出せるが、侯爵領は広大だった4時間程掛かりこの辺一帯の地理を把握した、そうし


て考えるとアゴルから森を抜けると凄く近い事が分かった、それとト-マンツに港が


欲しいのが分かるので、領都をトーマンツに移し帝都まで3日程で行ける様にすれば


こんなに良い所は無いと思われた、これは俺の考えで帝都に居る皇帝の考えとかが分


からないが、俺の考えは纏まったがクロイツム侯爵の考えも聞いて居ないので、ここ


までにして今日は帰る事にした。

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