第53話 サイラとマイラと共に(ほぼサイラ視点)


 俺がスマエルのダンジョンを制覇して地竜とコアに出会い、ダンジョンを120層に


してマスタール-ムで休憩して居た頃に、スマエルのギルドはひっくり変える様な騒


ぎに成って居た、ダンジョンに入って居た冒険者が外に排出された後に、ダンジョン


が揺れ出して止まるのに20分は掛り、排出された冒険者にはコクトマの翼も入って居


たのが騒ぎに拍車をかけた、入り口の石碑が使えなく成りダンジョンが揺れたと言う


事は、誰かがダンジョンを制覇したという証でその一番の候補が排出されたと言う事


は、違う誰かが制覇したと言う事なので対象者が解らない事が余計に騒ぎが大きくな


った原因の一つだった、しかし誰に聞いても対象者が見つからずに究明には時間が掛


りそうだった。


 その頃にはユキノスケはコアに転移して貰い、買った家に帰って来ていてサイラさ


んに御飯を作って貰って居て、自分でいれた風呂に浸かって居る所でサイラの娘マイ


ラも一緒に風呂に入れて居た、その光景を思い浮かべたサイラはまるで夫婦の様だと


思いながら夕飯の準備をして居た、その時に風呂から声が掛りマイラが風呂から出る


と言うのでタオルを持ってマイラを受け取ってサイラは嬉しくなった、こんな穏やか


な日が来るとは思っても居なかった、マイラの父親は駆け出しの商人で頑張って居て


商売も順調に伸びて居た、殆どが王都タタトンとの商いが多くて2日の片道なので商


いの為に出かけても5日も有れば往復して居た、有る時に商いに出て5日目に帰って来


なかった、サイラは嫌な気がしたがこんな事も有るだろうと思い1日待って居た、次


の日にも帰つて来ないのでギルドに捜索依頼を出した、ギルドの依頼で冒険者チ-ム


が何時も旦那が通る道を調べながら王都へ向かって居ると、河原に馬車らしきものが


転落して居て傍に冒険者の死体と商人の死体が有った、襲われて殺されここに落とさ


れた様で馬車の荷物も全て無く成り旦那が仕入れの為の借金だけが残り、身を売り借


金だけは返済して娘は知人に預けて奴隷に成って売れるのを待つだけに成って居た


が、年も年なので中々売れないで後10日程で売れないと鉱山行に成る所だった、そん


な時の今回のユキノスケとの出会いで主人に成るユキノスケは非常に優しい人だっ


た、娘のマイラにも優しくて彼がダンジョンから帰って来てからは何時もマイラを風


呂に入れて呉れて居た、そして今日は夕食後に彼がこの町を出るという話を聞いた時


には何処え行くのか心配になったが、私は彼の奴隷だった事を対忘れそうになるが彼


は無理強いはしない、が既に決めて居た私は御主人様に付いて行くマイラも行くと


言った、ユキノスケに聞くと先ずは王都に行くと言う事で出発の日に成った、家は既


に商業ギルドに買い取ってもらって居た、馬車に乗ると荷台が広く感じたがサイラも


そんなに馬車に乗つた事が無い、偶に旦那の馬車に乗る事が有った位で2度か3度目だ


った、走り出してこの町ともお別れだと思うとちょっとセンチに成ったが良い思い出


も有るが最後が悪かった、町の出口に来た様で馬車が止まり門衛と何やら話していた


がはっきりとは聞こえなかつた、王都迄はこの町からは馬車で2日掛るので途中で1泊


しないと行けない、丁度いい所に町が有る訳だが宿に泊まるも馬車で寝るもご主人が


決める事で奴隷がとやかく言う事では無い、そんな事を思って居たが門を出てから暫


く経つが馬車ってこんなに揺れなかったかしらと思った、旦那の馬車にも2度ほどし


か乗った事は無いがその時はガタゴトとよく揺れたと思い出したが、この馬車は静か


だし揺れない道は大分悪く成って来たはずだがと思って居たら、馬車が止まったので


外に出るとコクトマ湖から王都の傍を通る川の傍に止って居た、そして「ここで今日


は1泊する」と言うので外に出ると、ユキノスケ様がテントを張り出してその傍に竈


が出来て居て夕食の食材が並んでいた、そして夕食はこれで作って下さいと私に言っ


て何処かに行くと、暫くしてウサギの様な魔物を捕まえて来て捌きだして「スープに


入れて欲しい」と言った、私は言われた通りにスープを作りステ-キを焼き野菜のサ


ラダを作り出来上がった、野菜サラダには何やら黄色い色のねっとりした物を掛けて


食べだした、それを見たマイラが一口貰うと「美味しい」と言って何時も野菜サラダ


は食べないのにいや生野菜は食べない子だと思って居たのに、良く食べるので私も少


し貰う事にして食べて見た、「ナニコレ美味しいんですが」と思わず言って仕舞いす


みませんと誤った位に美味しかった、ユキノスケ様はマヨネ-ズと言う物だと言って


いわゆるドレッシングだと言うがこんな物は初めての味で美味しさも初めてだった、


そんな感じで食べ終わり私たち親子が馬車で寝てユキノスケ様はテントで寝るという


事だったが、良いのだろうか私たちがこっちでご主人様がテントでと思って居たが、


マイラは既に居眠りを始めていて寝てしまった、私はご主人様にご奉仕をしないと行


けない捨てられない為にもと思いテントに行くと、ユキノスケ様は瞑想と言うのか目


を瞑り静かにして居たが其処に10人程の野党が来てしまった、夜盗が「お前たちは夫


婦か」と言いながら「女は年増だな」と言って嫌らしい笑い方をした、するとユキノ


スケ様が夜盗に言った「お前たちに聞くが半年ほど前にここで商人を襲ったか」と言


うと、夜盗が「半年前にここで冒険者3人と商人殺したな正にここだった」と言っ


た、私は驚愕した主人が殺されたのがここだったのかと思って居るとユキノスケ様が


言った、「やはりお前達だったかこの人の旦那を殺したのは」と言うと、夜盗は「あ


の時は品物も有ったし有難かった、半年遊んで暮らせたが又楽が出来る」と言って


笑った、「そうかこの国でも盗賊は殺しても罪には問われ無いんだったよなマイラさ


ん」と言うので頷いたが、賊は10人も居るのだ私は震えるのを我慢して居たが娘は何


とかしたかったがこの状況では無理そうだった、賊も「面白い冗談を言う奴だ」と言


いながら、1回死んどけと剣を振って来たがユキノスケ様はその剣を意図も容易く撥


ね退けて逆に刺した、ユキノスケ様に刺されたのが夜盗のボスだった様で「お頭」と


言いながら、周りの野党が群がって来たがユキノスケ様が瞬く間に切り伏せて仕舞っ


た、夜盗のボスはまだ息が有りユキノスケ様が旦那の仇は取るかと聞いて来たので


私は思わずに頷いてしまった、ユキノスケ様の剣を受け取り夜盗に突き刺した所で力


が抜けたようになって終いユキノスケ様に抱きかかえられてテントに寝かされた、気


が付くと夜盗の死体は固唾きそんな気配があった事も分からない様に成って居た、そ


の間マイラは寝たままでいたので血生臭い所を見なくて良かったと思ったが、私はユ


キノスケ様に聞いた「どうしてあそこが旦那の死んだ所だと分ったのですか」と聞く


と、ユキノスケ様は感知系のスキルを持って居て馬車で走って居たら林に怪しい輩が


居たのが分り、止まって様子を見ると近づいて来たのでカマを掛けたら自分から喋っ


たのが本当だと言った、私はこの人がそれだけでピンと来たのが凄いと思って益々


この人を離さない様にしたいと思った、その日はそのまま私は馬車で寝てユキノスケ


様はテントで寝たが、テントにベッドが有った様な気がしたが気のせいなのかはっき


りと思い出せなかった、王都に着いて宿に入り部屋はシングルとダブルの二部屋を


取り食事をして別れた、私とマイラがダブルでユキノスケ様がシングルだった良いの


だろうか、朝ユキノスケ様は冒険者ギルドに行くと言って出て行ったが、私とマイラ


は宿に残る様に言われ部屋で待って居た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る