雪の結晶が織りなす、「京都花街の恋物語」

『雪の結晶が織りなす、京都花街の恋物語』は、まるで冬の京都の美しい風景が織り成すタペストリーのように、心に響く物語です。主人公の神崎悠斗が写真家を目指しながらも、新たな恋に出会う過程が、繊細かつ情感豊かに描かれています。

**第1章から第5章までの印象**

物語の初めから悠斗の心の内側に深く入り込む描写が素晴らしく、彼の失恋の痛みと新たな希望が共感を呼びます。京都の花街先斗町で出会った舞妓見習いの野々村あかねとのエピソードは、まるで夢のように美しく描かれ、彼女の存在が悠斗にとってどれほど特別なものであるかが伝わってきます。

**第6章から第10章までの印象**

嵐山での撮影や、生野…続きを読む

古都京都を舞台とした、若き男女の純愛模様の物語。
愛のその前に立ちはだかる困難でさえ、京都花街の切ない親子の物語が関わっており、感情移入して読まずにはいられません。

少々描写過多なところがあり、お話の先が気になってもどかしいと思われるかもしれませんが、表現自体は秀逸ですので、ゆったりと急がず、きららかな言葉紡ぎたちを楽しまれるのも良いかと思います。

京都の季節の移ろいのうつくしい繊細な描写、恋愛模様の微笑ましさ、また固い親子の絆の素晴らしさ、皆様の心のシャッターで、ぜひとも捉えて感じてみて欲しいと思います。

風情ある京都の町並みや四季折々の美しい景色が目前に広がるように感じられる作品です。

雪化粧をした花街で出会った舞妓のあかね。アシスタントカメラマンの若き主人公との出会いの場面は、まるで映画のワンシーンのよう。

障害に立ち向かう2人の恋と並行して描かれる、大人の男女の恋物語。どちらも切なく美しく、涙を誘います。

古都京都の花鳥風月や、悠久の歴史が随所に織り込まれ、物語に深みを増しています。
女性の儚さと強さを繊細かつ情感豊かな筆致で描いた作品をぜひご堪能ください。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（212文字）

【第９回カクヨムＷｅｂ小説コンテスト】応募作品です。
　写真家を希望しているアマチュアカメラマンの悠斗くんが、ある日京都先斗町で運命の出会いをします。
　彼女の名はあかね。まだ高校生ですが舞妓さんの見習いだという。
　出会いから時は流れ、再びまみえたのは冬の京都だった。
　さまざまな試練と出会いを繰り返して、悠斗くんとあかねさんは同じ時間を過ごしていく。
　それは時の魔法、京都の魔法だったのかもしれない。

　悠斗くんは多くの女性とめぐり逢いますが、それでもあかねさんを忘れたことはなかった。
　京都の美しい景色とともに、純粋な心が通いあう純愛物語。

　皆様もふたりの行く先を見守ってみません…続きを読む

文章が綺麗です。ゆっくり読ませて、物語の中の時間に溶け込んでいく感覚を味あわせてくれる大人の文章ですね。惹かれます。

若い二人が運命かのように花街で出会い、一瞬で惹かれ合う様はまるでシャッターで切り取られた一コマ。こちらも美しい。

美しい描写の中で、まっすぐな恋心がどう展開していくか、待ち遠しいです。